怒りは、知性で逸らす。

千田琢哉『たった2分で、怒りを乗り越える本。』セレクション

UPDATE 2020.07.30
公開日 2015.11.23

相手から、はからずも怒りを買ってしまうことがある。
こんな時、相手の怒りを正面から受け止めてはいけない。
あなたにも怒りの感情が芽生えてくるからだ。
怒りと怒りのぶつかり合いで、泥仕合に発展しかねない。
泥仕合から生み出されるものは何もないから、
お互いの貴重な時間の無駄遣いだ。
相手が怒るのはコントロールしようがないとしても、
あなたまで一緒になって怒る必要はない。

怒りは正面から受け止めるのではなく、逸らすのだ。
ボクサーは相手からパンチを受ける瞬間、急所を数センチ、外そうとする。
相手の拳が頬や耳にかするだけなら御の字。
もし当たったとしても、急所を外すことで巧みに避けている。

怒りも、これと同じだ。
過剰に反応せず、かといって露骨に無視をするのでもなく、
最小限のエネルギーでヒットポイントを逸らすのだ。
「あなたのそこがダメ!」と怒られても、「お前だって……」と返さない。
「ああ、確かにその通りだ。ありがとう。ところで……」と、
受けたふりをして逸らすのだ。

周囲の知的な人たちを改めて観察すると、皆そうしていることがわかる。
怒りの逸らし方は、知的な人たちから無限に学べる。

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

たった2分で、怒りを乗り越える本。

怒りは人間に必要な感情であり、怒っても恥じる必要などはない。怒りと上手に付き合い、ともに乗り越えていく方法を教えよう。
定価:本体1,200円+税/学研プラス

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