まずは「自分が好き」という気持ちをもたせよう

和田秀樹『12歳までが成功のカギ!「頑張れる子」の育て方』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2015.05.08
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 「頑張れる子」に育てるには、特に小学校卒業まではしっかりと親が子どもの様子を見て、その子にマッチしたやり方でフォローしたいものです。
 すでにお話ししたように、子どもの発達・成長にとって重要なものは、自己肯定感です。繰り返しになりますが、自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」、「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態のことで、ごく簡単にいうと「自分が好き」という気持ちのことです。
 自己肯定感が高い子は、心の受容度が大きく、逆境であっても上昇志向をもち続けてへこたれず、人間関係も積極的に築いていけます。逆に、自己肯定感が低い子は「頑張れる子」になるためにもっとも大切な「自信」がもてず、何事にも消極的でネガティブというタイプになってしまう恐れが多分にあるのです。
 このように「頑張れる子」のポイントとなる自己肯定感ですが、乳幼児期に親からたっぷりと愛情を与えられてこそ、子どもに身につくものです。
 親子の絶対的な信頼感が必要であるこの感覚は、条件つきの愛では育まれません。
 子どもが自分自身をかけがえのない存在と自覚するには、どんなことがあっても無条件に自分を受け入れてくれる親の「無償の愛」が必要です。何があっても最後は親が愛情をもって受け止めてくれる、そう確信できることにより、子ども自身が「自分は生きていていいのだ」と思えるようになるのです。
「自分が好き」、「自分のことが大切だ」という自分自身への信頼感を武器に、子どもは負けた経験をしてもへこたれない「頑張れる子」に育っていきます。

和田 秀樹 (わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。精神科医・教育評論家。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学等を専門とする。受験アドバイザーとしても精力的に活動し、志望校別勉強法の通信教育・緑鐵受験指導ゼミナールを主宰。東京大学をはじめとする難関大学に挑戦する受験生を指導している。映画初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、文化面でも幅広く活躍中。

作品紹介

12歳までが成功のカギ!「頑張れる子」の育て方

どんな環境でも心が折れずに立ち上がる、「頑張る子」の育て方を、教育評論家・心理学者の和田秀樹氏が本音でコーチ!
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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