教養は、独学で身につける

辻秀一『自分を敬え。超訳・自助論』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2015.03.05
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 教養という言葉を広辞苑で引くと「単なる学殖・多識とは異なり、一定の文化理想を体得し、それによって個人が身につけた創造的な理解力や知識」であると定義されています。

 ここでは何を教養と呼ぶかが問題なのではなく、大事なことはその教養をどこでどうやって身につけるかということです。
 単なる知識であれば、学校をはじめとする教育の場で教えを受けて身につけていくことでしょう。しかし、実際に社会に役立つ知識は自分自身が体験したことでしか得られないのです。

 他の人に自分の代わりに体感をしてもらうことは、古今東西において誰もできないはずです。実践の結果として得た、自分しか体感できないものによって、知識に価値が生まれて教養へと発展していくのです。
 それがために、教養はその人自身を表すもの、つまり品格や人格として言い表されるものと言っても過言ではありません。

 教養を深めるために、自分で実際に体験して学んでいく。それは独学という言葉で言い換えることができます。
 他者の意見を一切聞く必要がないと言っているのではありません。知識を自分のものにするには、あくまで自分の体験・体感を通じて育てていくしかないのです。

『自助論』とは?

1858 年に刊行されたサミュエル・スマイルズの代表的著作。
原題は「Self Help」。政治家、実業家、科学者、芸術家など300人を超える成功者の逸話や発言を題材に、苦難に立ち向かい、自らの手で道を切り開くことの大切さを説く。日本では一般に『自助論』として知られる。刊行後、世界各国で翻訳されベストセラーとなる。日本では、福沢諭吉の『学問のすゝめ』と並び明治期の青年層に愛読され、近代日本の形成に大きな影響を与えた。

辻 秀一 (つじ しゅういち)

スポーツドクター。株式会社エミネクロス代表。慶應義塾大学病院内科、同スポーツ医学研究センターを経て独立、現在に至る。応用スポーツ心理学とフロー理論を基にしたメンタル・トレーニングによるパフォーマンス向上が専門。セミナー・講演活動は年間200回以上。年に数回の「人間力ワークショップ」は、経営者、アスリート、音楽家、主婦、OL、教員など、日本はもとより海外からの参加者もいるほど人気を博している。 著書に35万部突破のベストセラー『スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル)、『禅脳思考』(フォレスト出版)、『自分を「ごきげん」にする方法』(サンマーク出版)ほか多数。

作品紹介

自分を敬え。超訳・自助論
内向型の人が自分らしく生きるための本

刊行から150余年。起業家、芸術家、アスリート…全世界の挑戦者たちを刺激し続ける不朽の名作「自助論」の精神をここに凝縮!
定価:本体1,400円+税/学研プラス

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