「魅惑力」イコール「黒の下着」というイメージがあります。
これは大きな勘違いです。
ロリコンというわけではありません。
清楚なほうが、よりセクシーです。
男性が制服好きなのは、清楚だからです。
エッチな下着を喜んでいる男性は、喜んでいるフリをしているだけです。
または、1回で飽きて、継続性のないものになります。
魅惑的な人は、ふだんが魅惑的です。
エッチな下着は非日常、清楚な下着は日常です。
非日常と日常とでは、圧倒的に日常の魅力の勝ちです。
いい男であればあるほど、日常の魅力を評価します。
何かをして魅惑的なのではありません。
何もしていないのに魅惑的です。
ただ座っているだけ、ただ立っているだけ、ただ歩いているだけなのに魅惑的という状態が、究極の「魅惑力」なのです。
僕の通っているダンス教室は、ホテルの宴会場を借りてやっています。
生徒の個人差が一番出るところは、ドアを開けて入ってくる瞬間です。
まだレッスンが始まる前です。
「ダンスをやっている人」と「ダンスは習っても日常が変わっていない人」の差が、ここで一瞬でわかります。
ダンスで一番大切なのは、日常が魅惑的になることです。
非日常で頑張るよりも、いかにふだんをよくするかです。
ドキッとさせるものは、「黒の下着」ではありません。
女性が男性をドキッとさせるために、意識的にすることは、あまり効かないか、逆にドン引きされます。
ゼロかマイナスの逆効果しかないのです。
無意識にやったことのほうが、ドキッとします。
これは男性でも女性でもお互いさまです。
男性が本で覚えてきた口説き文句を言っても、「ハア?」とか「気持ち悪い」と思われるだけです。
それよりは、何げなしにしてくれたことが印象に残るのです。
忘れられない言葉は、言った本人は忘れています。
言ったような気もするし、言わないような気もします。
それぐらい普通の言葉です。
普通のことにドキッとするのです。
日頃の行いが、いかに大切かということなのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
年齢を重ねても魅力的な女性でいるために身につけたい「女子力」を提案する第3弾。異性だけでなく同性もひきつけたい女性、幸せもキレイも手に入れたい女性、華のある人になりたい女性に向けて。
定価:本体1,200円+税/学研プラス