◆「# そろ生き」先行試し読み 第10回◆ 「ひとりでいることを楽しめたとき、 ――」

旺季志ずか

更新日 2020.07.27
公開日 2018.05.19
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先行試し読み 第10回

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「ひとりでいることを楽しめたとき、
はじめて、ほかの人とも楽しく、共にいられるのだと思う……」

連続ドラマ「桜からの手紙~AKB48それぞれの卒業物語~」より。
2011年日本テレビ系列にて放送。
原案:秋元康。
いつも一緒で、趣味も同じ麻友(渡辺麻友)と佐江(宮澤佐江)。佐江に彼氏ができたことで、ふたりの関係がうまくいかなくなる。そのときに、余命わずかの担任・前田(上川隆也)から送られてきた手紙の中の言葉。

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私が生きるうえで大切にしているのは、「自由である」ことです。

そんな私が、「自由になった」と心の底から開放感を得たのが、孤独を恐れなくなったときです。「ひとりぼっち」のことを、「ひとり在(あ)る」とする表現に出会い、ドキリとしました。

私の魂が望んでいることを言い当てられた気がしたのです。「ひとりぼっち」という言葉には、「ひとりでいることは寂しく、いけないこと」のようなニュアンスがありますが、「ひとり在る」という表現には、「ひとりでいることを自ら選んだ」という凛とした響きを感じます。

幼いときから、私は、「ひとり」が好きでした。

人には、多くの人とつき合うのが好きな「陽」タイプと、ひとりが好きな「陰」タイプがあると思っています。これは、性格の「明るい」「暗い」とは別です。一般的には、「陽」タイプの人のほうがいいような気がしますよね。

でも、どちらでもいいのです。

私は、性格は明朗活発ですが、「陰」タイプです。

ひとりで過ごす時間があってはじめて、人とつながるスペースが持てるのです。

社会には、数多くの人とつき合い、友だちは多いほうがいいというメッセージがあふれています。

SNSが普及し、「いいね!」の数で、その人の人気まで数値化できるようになってくるとなおさらです。

学校や会社のような集団の中では、「ひとり」でいると、変な人のように思われるかもしれません。

「ひきこもり」は、「陰」タイプの人間が、他人と同じ行動をできない自分を否定することから起こるのかもしれません。

でも、自分が「ひとり在る」ことが好きなら、それを肯定してみてください。

あえてひとりの時間を持って、それを存分に楽しんでみるのです。

「ひとり」の時間は、驚くほど自分を育てます。豊かで繊細な感性を養う時間だと言っても過言ではありません。

そして、「ひとり」を十分楽しめることができたとき、寂しさを埋めるために人とつき合うことがなくなります。

寂しさを埋めるためにつくる人間関係ほど虚しいものはありません。

これは、友だち関係だけではなく、恋人関係でも同じです。

ひとりでいる時間が寂しくていられないから、友だちと長電話をする。恋人とデートをする。

寂しさを感じさせないその存在(ひと)は、とても大切なものに感じるかもしれません。

ところがそれは、感情を感じたくないから相手を利用している「依存関係」です。

私の経験から言えば、寂しいときほど自分と仲よくなれます。

寂しさをごまかさないで、自分と向き合う。

そんな時間の中でだけ、私はものを書くことができます。潜在意識や集合意識(人類全体がつながっているとされる部分)に深く下りて書くときは余計にそうです。

そして、たったひとりでも満たされたとき。

そんな「ひとり」が出逢って「ふたり」になるとき、互いの意思や選択を認め合える、自由で開かれた関係ができるのです。

よりよい関係性は、「ひとり在る」からはじまるのです。

 

本日で連載は終了です(全10回)。興味を持っていただけた方、この続きが気になった方は、ぜひ、本書『「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?」』を買って読んでみて下さい。

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2018年5月18日発売予定

『「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?」』

著者:旺季志ずか(おうきしずか)/定価:1300円+税

【アマゾン、書店で予約受付中】

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「読んだら 感想聞かせてね〜。#そろ生き  つけてくれたら読みにいくよ」 

 (著者・旺季志ずかより)

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旺季 志ずか (おうき しずか)

脚本家。徳島県生まれ。立教大学卒業後、女優を志すも挫折。高層ビルガラス清掃から銀座ホステスまで、50種類の職を経験した豊富な人生経験を生かし、数々のヒットドラマを生み出す。代表作に「屋根裏の恋人」「ストロベリーナイト」「佐賀のがばいばあちゃん」「女帝」など。不幸だった自らの人生を変えるべく心理学や哲学を学んだ、自称「心」オタク。その知見を盛り込んだ著書『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』『虹の翼のミライ』(ともにサンマーク出版)では、「エンタメ自己啓発小説」という独自の分野を確立した。本書は著者初のエッセイとなる。

 

作品紹介

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