完璧主義は、ゴテゴテです。
丁寧は、シンプルです。
「完璧」と「丁寧」は、一見似ている言葉に感じます。
完璧主義でいくと、ゴテゴテします。
たとえば、自分がいいなと思っている人から、「今から出てこない?」と連絡がありました。
完璧主義にハマると、メイクに2時間かかります。
うかうかすると、「美容院に寄ってブローしてから行こう」ということになります。
それでは、チャンスを逃します。
丁寧とは「30分以内だろうな」と想定して、30分以内にできる最低限の準備をして行くことです。
「おなかすいた。何かない?」と言われた時に、10分で出せるモノを出すのが、おなかがすいた人に対しての丁寧さです。
その時に、いいところを見せようと頑張って、自慢料理のシチューをつくる人は、完璧主義です。
それから買い物に行ったり、ハンバーグをペッタンペッタンするのでは、料理ができるまでに時間がかかります。
完璧主義は自分のため、丁寧は相手のためです。
すぐ出せるモノをつくるのが、相手のための丁寧さを優先することなのです。
「シンプルである」ということは、「優先順位が明確である」ということです。
しかも、優先するのは自分ではなく、相手側です。
「相手は今何をしてもらったら一番いいか」を考えます。
「おなかがすいている」「今から会いたい」と言われた時に、何を優先するかです。
優先順位がきっちり明確に見えている時、人間は迷いがありません。
優先順位がなくて同点になると、ひたすら延長戦になり、シーソーゲームが起こります。
子どものじゃんけんと同じで、「3回勝負だ」「5回勝負だ」となります。
シンプルな人は、一発勝負なのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
シンプルな人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。いらないものをそぎ落とすことで、チャンスをつかむ方法を紹介。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 軸とは、それがかなえば、 ほかのすべてを犠牲にできることだ。
- 断る時に、理由をつけない。
- 試すことで、捨てることができる。
- 実行より、完了をする人が少ない。
- 体験を増やすと、持ち物は減る。
- 安い服を毎日着がえるより、 いい服を毎日着る。
- ヒーローは、シンプル。 悪役は、ゴテゴテ。