たとえば、男性から「飲みに行こうよ」と誘われました。
この時に、ゴテゴテの女性は「行けない理由が3つありまして」と言います。
1個どころではなく、3つの理由を挙げて、「だから行けない」と言うのです。
理由を重ねれば重ねるほど、理由の数が増えれば増えるほど、相手からは怪しまれたり、嫌われるという事態が起こります。
断る時は、理由をつけないことです。
「行けない」ではなく、「行かない」と言い切ります。
これなら、相手がヘンな期待を持ちません。
一番よくないのは、相手に期待を与えることです。
人間は、期待したことが裏切られた時に怒ります。
最初から期待していなければ、怒りません。
期待させておいて結局行かないとなると、「それなら最初から行きたくないと言ってほしかった」と逆恨みされます。
「行けない」ではなく、「行かない」と言うのが、シンプルな断り方です。
これが、最も相手に傷がつかないのです。
たとえば、「ご祝儀に100万円あげる」と言われて受け取りました。
その後、「やっぱり返して」と言われました。
そう言われると、もらったお金であるにもかかわらず、とられた感があります。
これが、期待させるということです。
プラマイ・ゼロなのに、「え、なんで?」と、とられた感が満載になるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
シンプルな人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。いらないものをそぎ落とすことで、チャンスをつかむ方法を紹介。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 軸とは、それがかなえば、 ほかのすべてを犠牲にできることだ。
- 完璧主義は、自分のため。 丁寧は、相手のため。
- 試すことで、捨てることができる。
- 実行より、完了をする人が少ない。
- 体験を増やすと、持ち物は減る。
- 安い服を毎日着がえるより、 いい服を毎日着る。
- ヒーローは、シンプル。 悪役は、ゴテゴテ。