相手から、はからずも怒りを買ってしまうことがある。
こんな時、相手の怒りを正面から受け止めてはいけない。
あなたにも怒りの感情が芽生えてくるからだ。
怒りと怒りのぶつかり合いで、泥仕合に発展しかねない。
泥仕合から生み出されるものは何もないから、
お互いの貴重な時間の無駄遣いだ。
相手が怒るのはコントロールしようがないとしても、
あなたまで一緒になって怒る必要はない。
怒りは正面から受け止めるのではなく、逸らすのだ。
ボクサーは相手からパンチを受ける瞬間、急所を数センチ、外そうとする。
相手の拳が頬や耳にかするだけなら御の字。
もし当たったとしても、急所を外すことで巧みに避けている。
怒りも、これと同じだ。
過剰に反応せず、かといって露骨に無視をするのでもなく、
最小限のエネルギーでヒットポイントを逸らすのだ。
「あなたのそこがダメ!」と怒られても、「お前だって……」と返さない。
「ああ、確かにその通りだ。ありがとう。ところで……」と、
受けたふりをして逸らすのだ。
周囲の知的な人たちを改めて観察すると、皆そうしていることがわかる。
怒りの逸らし方は、知的な人たちから無限に学べる。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
怒りは人間に必要な感情であり、怒っても恥じる必要などはない。怒りと上手に付き合い、ともに乗り越えていく方法を教えよう。
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 怒りを克服した人から、 出世していく。
- 浮気されるのは、 あなたが相手を認めないから。
- ひと言多い同僚には、 力強く「なるほど」。
- 器を大きくするためには、 器の小ささを認めること。
- 食欲・性欲・睡眠欲が 満たされている人は、キレない。
- 怒鳴り続けると、寿命が縮む。
- 怒りの根っこは、恐怖。
- 怒鳴る人は、支配される。
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