人が怒るのはどんな時だろうか。
「そんなの腹が立った時に決まっているだろう」
そう言って膨れている人は、
「なぜ腹が立つのか」をもう一歩突っ込んで考えてみよう。
それは、怖い時ではないだろうか。
恐怖を抱いた時に、人は怒りの感情を持つのだ。
「よくもこんなに迷惑をかけてくれたな!」と叫んでいる人は、
「こんなに迷惑をかけて、私に何か起こったらどうしてくれるんだ」
と恐怖を訴えているのだ。
「よくもガン飛ばしてくれたな!」と怒鳴っているチンピラは、
「そんな風に睨んだら怖いじゃないか」と恐怖を訴えているのだ。
怒っている人や怒鳴っている人は、怖がって怯えている人だ。
怖い時に怒ることなく「怖い」と正直に言えるのは、幼児か、
もしくは圧倒的な実力を備えた大人だけだ。
多くの大人は「怖い」なんて、正直に口に出して言うことができない。
その結果、怒ることによって恐怖を隠そうとするのだ。
怒っている人を見かけたら、「怖がっているんだな」と理解してあげよう。
反対にあなたに怒りが込み上げてきたら、
「自分は怖がっているんだな」と気づこう。
怖い時に「怖い」と正直に言えるために、実力を磨いていこう。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
怒りは人間に必要な感情であり、怒っても恥じる必要などはない。怒りと上手に付き合い、ともに乗り越えていく方法を教えよう。
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 怒りを克服した人から、 出世していく。
- 浮気されるのは、 あなたが相手を認めないから。
- ひと言多い同僚には、 力強く「なるほど」。
- 器を大きくするためには、 器の小ささを認めること。
- 食欲・性欲・睡眠欲が 満たされている人は、キレない。
- 怒りは、知性で逸らす。
- 怒鳴り続けると、寿命が縮む。
- 怒鳴る人は、支配される。
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