「すぐやる脳」をつくる 三つの法則②

茂木健一郎『結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方』セレクション

更新日 2020.07.29
公開日 2015.06.10
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 第二の法則が、「雑談の時間をつくる」ということです。
 どうしても、日本人は準備や根回しに時間をかけてしまいがちです。それを物語るのが、「打ち合わせ」ではないでしょうか。
 私自身、不要な打ち合わせはお受けしないよう心がけています。多くの打ち合わせで、ほとんどの時間が本題とは関係ない話で終わっています。本来、この無駄な時間は、もっと創造的に使われなければいけないはずです。
 だから私はメールで済む場合はメールで済ませ、創造的なコミュニケーションが必要な場合には雑談の時間を取るのです。
 雑談はとてもクリエイティブな行為です。
 特定の目的を持たない、創造性に富んだ自由なコミュニケーション。それは脳のマッサージであり、同時に様々な価値観が芽生える脳のサプリメントでもあります。
 経済の話をしていたはずが、いつの間にか流行の漫才コンビの話にすり替わり、あげくの果てに、小学校時代の懐かしいケシゴム遊びへと脱線していって——。その場の雰囲気でガラリと変わっていく話の様子は、ほとんどミュージシャンのジャムセッションです。
 この雑談の時間をつくることで、創造力は大きく飛躍します。

 結果、実質的な打ち合わせも省力化できるため、トップスピードでこなせます。まさに一石二鳥です。

 

茂木健一郎 (もぎ けんいちろう)

1962年東京生まれ。 東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。 理学博士。脳科学者。
理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。 専門は脳科学、認知科学であり、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。
2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。 2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
主な著書として、『結果を出せる人になる!「 すぐやる脳」のつくり方』『もっと結果を出せる人になる! 「ポジティブ脳」のつかい方』(ともに学研プラス)、『人工知能に負けない脳』(日本実業出版社)、『金持ち脳と貧乏脳』(総合法令出版)などがある。

 

作品紹介

結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方

過重なストレスと処理すべきタスクに溢れた現代を生き抜くには「すぐやる脳」が必要だ!脳科学者・茂木健一郎流・行動力強化術。
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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