多くのお母さんがもっている誤解

和田秀樹『「勉強が得意な子」をつくるお母さんの戦略』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2015.04.03
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 受験などの厳しい競争に打ち勝っていくためには、1〜4歳という幼年期の段階から、子どもにびしびしと教え込んでいかなければ──。
 多くのお母さんが、こうした誤解をもっています。
 では、子どもを「勉強が得意な子」にするために、まず最初にしてあげるべきこととは何でしょうか?
 それは愛されているという実感を与えてあげることです。勉強はもちろんのこと、叱ったり諭さとしたりというしつけよりも、まずそれが最優先なのです。
「可愛いね!」と、子どもを抱きしめてあげてください。
「すごいね!」と、子どもを認めてあげてください。
 ごはんのときに子どもの好きなおかずを用意したり、正面から向きあい、きちんと目を見つめて会話をしたり、やさしく抱きしめてあげたりといった日常の小さなコミュニケ―ションを、丁寧に、愛情込めて行うことです。
 まず、幼児期にこうした習慣を確立をしておくことが、後々の親子関係にとって理想的な状態と言えます。
 お母さんが無条件に子どもを愛することにより、子どもの中に「自分ほどかわいいものはない」「自分ほど賢いものはない」という自己重要感が生まれます。
 そしてそれが子どもの中に、生きる活力と自信、つまり前向きに人生に取り組むための心をつくってくれるのです。

 もちろん、なんでもほめることが〝愛情〟ではありません。当然ですが、〝やってできたとき〟にほめたり、〝ほめられたいと思っていること〟をほめてあげないと、きちんと愛情は伝わりません。
 子どもは敏感ですから、媚びやうそはすぐに見破られます。いつも子どもを見守りながら、頑張ったことや工夫したことを見つけ、その場ですぐに、本気でほめてあげることが必要なのです。

和田 秀樹 (わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。精神科医・教育評論家。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学等を専門とする。受験アドバイザーとしても精力的に活動し、志望校別勉強法の通信教育・緑鐵受験指導ゼミナールを主宰。東京大学をはじめとする難関大学に挑戦する受験生を指導している。映画初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、文化面でも幅広く活躍中。

作品紹介

「勉強が得意な子」をつくるお母さんの戦略
小1スタートダッシュ・9歳の壁・中学受験 失敗しない48の方法

はじめての子が小学校に上がるお母さんに向け、受験の神様・和田秀樹先生が「失敗しない受験戦略」をコーチ。中学受験ママ必読!
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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