それではいよいよ、あなたらしい自然な笑顔にチャレンジしてみよう。
笑顔は豊かな心から生まれる。勝つことや疑うことばかりが心を占めていると、心は凍りつき笑顔は生まれない。人を魅了する笑顔の持ち主になりたければ、豊かな心になるように努めよう。
あなたがきれいな夕日に見とれたのはいつの日だったか、思い出せるだろうか。
心を豊かにする方法のひとつは、暮らしに色を持ち込むこと。スーツ、ネクタイ、シャツ、バッグなど身につけるものや、カーテン、テーブルクロスなどインテリアの色にも気を配ってみてはどうだろうか。カラフルな彩りは心に刺激をくれる。黒や白、グレーの無彩色ばかりに囲まれていると、心も萎縮してしまう。
次に自然の美しさに触れてみる。まずは、花を食卓に、そして職場の机に飾ってみよう。花は女性の、そしてか弱さの象徴とでも思っているのだろうか、多くの男性は花を恥ずかしがる。しかし、はかなくも強い花は生命そのものだ。自分に大きなエネルギーを与えてくれる。笑顔になるにはエネルギーが必要だ。
次は音楽だ。ゆったりと豊かな気持ちにしてくれる音を聞こう。もちろん、鳥のさえずり、雨だれ、風の音を感じるのでもよい。心がリラックスしてくる。
心を豊かにすることと並行して、表情も鍛えてみよう。
鏡を見ながら表情をトレーニングする本はたくさん出ているし、最近では表情を豊かにしてくれるゲームまで発売されている。表情は顔にある表情筋から作られる。ふだん表情筋を使っていない人は一日5分でよいからトレーニングしてみよう。
豊かな表情は、健康に関連するホルモンの分泌を促すこともわかっている。朝、昼、夜と一日3回は鏡を見て表情筋を動かすことを習慣付けよう。
こうして基礎ができたら、プライベートはできるだけ楽しい人と付き合うよう心がける。
心がオープンで感情豊かな人と付き合えば、こちらの心も豊かになる。特に若い人、女性、子どもと話すのは楽しい。エネルギーあふれる人と楽しい会話を交わせば、こちらにも活力が伝わり、自然と笑顔が浮かぶだろう。
笑顔が素敵な人は、心を豊かにしてくれる色や自然や音楽に触れ、感性を磨くことをふだんから心がけている。
自分には笑顔が足りないと感じる人は、それらを習慣付けることから始めてみてはいかがだろうか。
笑顔は豊かな心から生まれる。
美しい色や自然、音楽に触れて感性を磨き、
プライベートでは楽しい人と付き合おう。
野口 敏 (のぐち さとし)
1959年熊本県生まれ。関西大学卒。 平成元年より、話し方教室TALK&トークを大阪、東京、名古屋で主宰。コミュニケーションを感情という観点から深く研究。「今日習った人が、今日少しうまくなる」がモットー。 温かくユーモアにあふれた指導が幅広い支持を得て、これまでに指導した生徒は5万人を超えている。 著書に『誰とでも15分以上会話がとぎれない!話し方66のルール』(スバル舎)、『一瞬で人に好かれる話し方』(学研パブリッシング)、『誰からも大切にされる女性の話し方』(経済界)など多数ある。
作品紹介
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