英検のテスト形式が変わった!合否を分ける得点配分に注意!
英検は,全級の4技能化に向けた取り組みの一環として,2016年度第1回より各級の合否判定方法や問題形式を大きくリニューアルしました。この記事ではリニューアル後の変更点や注意点について見ていきましょう。 もくじ1 変更点① […]
英検は,全級の4技能化に向けた取り組みの一環として,2016年度第1回より各級の合否判定方法や問題形式を大きくリニューアルしました。この記事ではリニューアル後の変更点や注意点について見ていきましょう。
もくじ
変更点①:問題形式が変わった!
2016年度第1回からのリニューアルにより,3級以外の全級で問題形式が変更されました。また,その後の2017年度第1回から,準2級と3級に一部変更がありました。
1級の変更ポイント
ライティングの問題形式が変更され,社会性の高い話題について,自分で考えをまとめ,理由とともに意見をまとめるエッセイ形式になりました。
準1級の変更ポイント
ライティングの問題形式が変更され,これまでのEメール形式からエッセイ形式になりました。さらに,これまでよりも多い120語~150語程度の語数が求められるようになっています。
2級の変更ポイント
まず,リーディングの問題形式が変更され,長文の空所補充問題が「空所の一語を選択肢から選ぶ形式」から「空所にあてはまるものを複数の語句からなる選択肢から選ぶ形式」になっています。また,問題数が8問から6問に削減されています。
次に,ライティングテストが導入されました。それに伴い,語句整序問題が削除されています。
準2級の変更ポイント
リーディングの問題形式が変更され,長文の空所補充問題が「空所の一語を選択肢から選ぶ形式」から「空所にあてはまるものを複数の語句からなる選択肢から選ぶ形式」になっています。また,会話の空所補充の問題数が8問から5問に削減されました。
2017年度第1回からはライティングテストが導入されました。それに伴い,語句整序問題が削除されています。
3級の変更ポイント
2017年度第1回から,ライティングテストが導入されました。それに伴い,語句整序問題が削除されています。
4級・5級の変更ポイント
スピーキングテスト(コンピュータ端末を活用した録音形式)が導入されました。一次試験(筆記・リスニング)の合否に関係なく,申込者全員に受験機会が提供されます。級認定に関しては,従来どおり,一次試験(筆記・リスニング)の結果のみで合否が判定され,スピーキングテストの結果は,級認定とは別に,「4級(または5級)スピーキングテスト合格」として判定されます。
変更点②:試験時間が変わった!
2016年度第1回から,2級の筆記試験の解答時間が75分から85分になりました。また,2017年度第1回からは,準2級の筆記試験の解答時間が65分から75分に,3級の筆記試験の解答時間が40分から50分になっています。
変更点③:ライティングテストに観点別採点が導入された!
ライティングテストに,より詳細なフィードバックが可能となる観点別採点が導入されました。解答がTOPICに示された問いの答えになっていない場合や,TOPICからずれていると判断された場合は,すべての観点で0点と採点されることがあるので注意しましょう。
1級・準1級・2級の観点
(1)内容:課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか
(2)構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
(3)語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
(4)文法:文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
準2級の観点
(1)内容:課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
(2)構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
(3)語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
3級の観点
(1)内容:課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
(2)構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
(3)語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
(4)文法:文法的に正しい英文が書けているかどうか
変更点④:合否判定が変わった!
全級において,一次試験,二次試験ともに,スコアを技能別に算出し,それに基づいて合否が判定されるようになりました。
各級の合格基準スコア
級 | 一次試験 | |
合格基準スコア | 測定技能 | |
1級 | 2028 |
リーディング リスニング ライティング |
準1級 | 1792 | |
2級 | 1520 | |
準2級 | 1322 | |
3級 | 1103 | |
4級 | 622 |
リーディング リスニング |
級 | 二次試験 | |
合格基準スコア | 測定技能 | |
1級 | 602 | スピーキング |
準1級 | 512 | |
2級 | 460 | |
準2級 | 406 | |
3級 | 353 |
級 | スピーキングテスト | |
合格基準スコア | 測定技能 | |
4級 | 324 | スピーキング |
5級 | 266 |
※「日本英語検定協会」のウェブサイトに掲載された表を参考に作成
2016年度からのスコアの特徴はこれだ!
技能ごとにスコアが均等に配分される
技能ごとに問題数は異なるものの,問題数に関係なく,各技能にスコアが均等に配分されています。技能ごとに1問あたりのスコアへの影響は異なりますが,同じ技能の問題であれば,どの問題で正解してもスコアへの影響は同じということになります。
各級の技能ごとの満点スコア
1級:850点 | 準1級:750点 | 2級:650点 | 準2級:600点 |
3級:550点 | 4級:500点 | 5級:425点 |
同じ正答数でも回次によってスコアは異なる
各回の全答案採点後,統計的手法を用いてスコアを算出するため,受験者が自身の正答数でスコアを算出することはできなくなっています。
合格には技能のバランスが重要になる
「日本英語検定協会」によると,2016年度第1回一次試験では,1級・準1級は各技能での正答率が7割程度,2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格しています。
※日本英語検定協会」のウェブサイトに掲載された表を参考に作成
2015年度までの準1級では,配点が低いライティングが0点であっても他の技能の得点が高ければ合格する可能性がありましたが,2016年度以降は各技能均等にスコアが配分されるので不合格となります。
例えば,2015年度以前であれば,リーディングとリスニングがそれぞれ満点で,ライティングが0点だった場合,51/51+34/34+0/14=85/99(≒86%)となり,合格の目安の7割を超えているので合格となります。
しかし,2016年度以降で同じケースを考えると,750/750+750/750+0/750=1500/2250となり,前述の準1級の合格基準スコアである1792を下回るので不合格となるのです。
各技能バランスよく得点することが重要!
いかがでしたでしょうか。2016年度第1回からのリニューアルによって,合格するためには4技能をバランスよく得点することが必要になりました。この変更を念頭に置き,苦手な技能をなくすようバランスよく勉強して,合格を目指しましょう!