戦後日本の誇りをかけて闘った、若き技術者たちの物語

『双翼の日の丸エンジニア ゼロ戦と飛燕の遺伝子は消えず』

更新日 2021.08.05
公開日 2021.08.04
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戦後の技術大国・日本を象徴する“名機”を開発した男たちの苦闘と栄光を通して、日本が失いつつある“ものづくりの魂”の復活を説くノンフィクション。

『双翼の日の丸エンジニア ゼロ戦と飛燕の遺伝子は消えず』書影

受け継がれる“ものづくりの魂”を活写するノンフィクション!

 戦後の高度経済成長を支え、さまざまな分野で世界にその名を轟かせた“メイド・イン・ジャパン”。しかし、今や世界的な技術革新の波は猛スピードで日本を追い越し、日本の技術開発は岐路に立つと言われています。
 そんな今、未来をになう若き技術者たちへのエールとして執筆されたのが本書。
 二人の技術者の成功への軌跡を描くなかで、日本再生の鍵を探ろうとするノンフィクションです。
 魅力的な師匠たちとの邂逅、さまざまな苦難を乗り越えた先に待つ栄光……。
 ドラマチックなエピソードを通して、著者は、日本人の間に脈々と受け継がれてきた“ものづくりの魂”こそ、技術立国再生への最強ギアであることを確信していきます。

「ジョインナップ -合流-」紙面

↑第一章「ジョインナップ -合流-」から、第七章「タッチ・アンド・ゴー -再挑戦-」まで、技術者の人生と飛行用語をリンクさせた章立て。

日本の名機「ミノルタα7000」と「カワサキ Z1」の誕生秘話!

 二人の技術者とは、2020年に「未来技術遺産」にも登録された世界初の本格オートフォーカス一眼レフカメラ「ミノルタα7000」の開発者・葛城衛。もう一人は、軽量ながら抜群のパワーで世界に“KAWASAKI”の名を轟かせた伝説のモンスターバイク「カワサキ Z1」の開発者・百合草三佐雄。
 ともに子どもの頃から大の飛行機好きで、航空機にたずさわる仕事がしたいと進んだ大学において、二人はそれぞれ“師匠”との奇跡的な邂逅を得ることになります。
 葛城は、海軍の傑作機「ゼロ戦」を開発し、映画『風立ちぬ』のモデルとしても知られる堀越二郎から教えを受け、一方の百合草は、世界最速を目指した陸軍戦闘機「飛燕」の開発者・土井武夫のゼミで学んでいたのです。
 これぞノンフィクションの醍醐味。鳥肌が立つ奇跡の展開、必読です!

 日本の航空史に名を刻む巨匠から直接薫陶を受けた二人が、なぜ飛行機ではなくカメラやバイクを開発し、いかにして世界に日本の技術を知らしめたのか!?
 堀越二郎や土井武夫が伝えた精神は、技術者に限らず、混迷する今を生きるすべての日本人にとっての指針となるでしょう。

「ボーイング377の見学に訪れた堀越二郎」紙面

↑歴史的に貴重な写真も多数掲載されています。1949年、ボーイング377の見学に訪れた堀越二郎(右端)。田中祥一氏寄贈。

「百合草三佐雄の勤務先を訪れた土井武夫」紙面

↑1994年、百合草三佐雄の勤務先を訪れた土井武夫(左)。

「α」シリーズ 紙面

↑葛城衛が開発を手掛けた「α」シリーズの名機たち。

主人公の二人と、筆者との鼎談が実現!

 お宝的な“付録”として、葛城と百合草、筆者を交えての特別鼎談が実現しました。
 二人の口から直接語られる恩師・堀越二郎や土井武夫の素顔は、時代の証言としても貴重であることは言うまでもありません。激動の昭和・平成期を駆け抜けた“先輩”技術者から、現在、そして未来の日本人エンジニアたちに向けた熱いメッセージをぜひ受け取ってください。

著者プロフィール

戸津井康之(とつい やすゆき)
 1965年、大阪府生まれ。元産経新聞文化部編集委員。大学卒業後、日本IBMを経て、1991年、産経新聞入社。大阪本社社会部記者、大阪・東京本社文化部記者、大阪文化部デスク、文化部編集委員を経て2018年に退職し、現在、フリーランスのライター。産経新聞記者時代は紙面とネット連動の連載コラム「戸津井康之の銀幕裏の声」「戸津井康之のメディア今昔」などヒットコンテンツを手掛ける。

商品の紹介

『双翼の日の丸エンジニア ゼロ戦と飛燕の遺伝子は消えず』書影
■書名:『双翼の日の丸エンジニア ゼロ戦と飛燕の遺伝子は消えず』
■著者:戸津井康之
■発行:学研プラス
■発売日:2021年8月5日
■定価:1,980円 (税込)

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