夏といえば昆虫採集。カブトムシやクワガタなどを採りに出かける人も多いのではないだろうか。そこで、昆虫についての自由研究のアイデアを、『学研の図鑑LIVE 昆虫』の担当編集者に聞いてみた。
もくじ
お話をきいたのは……
学研の図鑑編集部の里中正紀さん。
小学生の頃は昆虫が大好きな昆虫少年。大学卒業後は、最初は医薬品メーカーに就職。学研に転職してからは学習参考書編集部、科学編集部を経て、現在の図鑑編集部に至る。今も大好きな蝶の研究はつづけており、自宅に保管されている蝶の標本は 2万5千頭(!)を超えるという。
昆虫採集が自由研究の王道
昆虫についての自由研究といえば、昆虫採集が王道ですね。どこにどんな昆虫がいたか。あるいはどんな方法で採集できたか。その事実の記録だけで立派な自由研究になります。
環境によって集まってくる昆虫が違います。雑木林、草むら、水辺、畑や家のまわり…、そういったそれぞれの場所に足を運んでみましょう。木の幹、木の枝、土の上、石の裏側などの見てみましょう。昆虫たちとの意外な出会いが待っているはずです。さらに、それぞれの昆虫がなぜそこにすんでいたか、そんな考察をしてもみてもいいと思います。
「トラップ」による昆虫採集
トラップというのは、昆虫をおびきよせるわなのことです。
カブトムシやクワガタムシを集めるには「バナナトラップ」です。焼酎に付け込んだバナナを樹液の出ていないクヌギやコナラなどの木にしかけるのです。
「ライトトラップ」という方法もあります。昆虫は街灯や自動販売機などあかりのあるところに集まってくる傾向にあります(※LED電球のところには来ません)。だから、暗いところに、シーツと電池式の蛍光灯などを使って、明るい場所を作るのです。
そして、どんな昆虫が集まってきているかを観察します。虫をケースに入れたり、写真を撮っておいたりして、図鑑でどんな虫だったか調べてまとめましょう。
擬態する昆虫
擬態とは、ほかのものに姿かたちを似せることです。
昆虫には、体の形や色がよく似ているものがいます。
たとえば、ジャコウアゲハ。
鳥がこの蝶を食べようとすると、蝶の体には毒があるため、鳥は食べることができません。
この蝶を食べようとして一度痛い目にあった鳥は、二度とこの蝶を食べようとしないでしょう。この蝶に擬態しているのがオナガアゲハです。
昆虫の仲間にはこのように、毒のある昆虫に擬態しているものがいます。こうした擬態昆虫ともとの昆虫を図鑑の中から探し出して、仲間分けしてみてもおもしろいかもしれません。
クワガタの大あごの違いを見つけてみよう
クワガタムシは、おすの大あごが大きくなる種がたくさんいます。
でも、同じクワガタムシのなかまでも、その形は似ているようで違うのです。
まずは、その違いを見つけ、スケッチしてみてもいいですね。
さらに、「ヒラタクワガタ」に注目してみましょう。同じおすでも、生息している地域によって大あごの形が違うのです。
もう一歩研究を進めたい人は、模造紙などに地図を描き、クワガタムシの分布図と共に、大あごの形を書き加えていってもいいですね。
『学研の図鑑LIVE 昆虫』のおすすめポイント
◆リアルなカラー写真
『学研の図鑑LIVE 昆虫』はすべてのページでカラー写真を使っています。しかも、色をわざと鮮やかにしたりするようなことはせず、ナチュラルな発色になることにこだわりました。昆虫たちのありのままの姿を伝えたかったからです。
◆「観察」から「発展」へと進められる
環境や地域によって、集まってくる昆虫は違います。本書はまず、それらを観察するきっかけづくりをしています。さらに数多く存在する昆虫を分類し、整理しているので、より深く知ることもできるのです。
◆読み物絵本としても楽しめる
本書は図鑑ではありますが、コラムや情報などが充実しているので、思わず「へええ」と感心してしまうページもたくさんあるはずです。子ども向けですが、大人が読んでも楽しめる内容です。
◆付属のDVDで昆虫たちの珍しい暮らしが楽しめる!
たとえば戦うコガラシクワガタのおすや、化学兵器で敵から身を守るミイデラゴミムシなど、BBC制作のDVDには、昆虫たちのおどろきの暮らし方や行動がたくさん収録されています。
商品の紹介
■書名:『学研の図鑑LIVE(ライブ) 昆虫』
■監修・著者:岡島秀治
■発行:学研プラス
■発売日:2014年6月20日
■価格:本体2,000円+税