夏休みや、冬休みなどの長い休みの宿題によく出されるのが読書感想文ですね。
読書は情報や知識の取得に加え、普通では経験することのできないことを、想像力を糧に楽しめるとても有意義なものです。お子さまたちはワクワクやドキドキを体験しながら、知識はもちろん、語彙力や、想像力、発見する力などを伸ばすことができます。とはいえ、本にあまり親しみのないお子さまはもちろん、本好きのお子さまでも感想文となると悩んでしまうこともあるようです。
そこで、読書感想文に取り組む際のコツと、楽しく読めて感想文にもおすすめの本を、小学1年生のお子さまを対象にご紹介します。
もくじ
小学1年生の読書感想文におすすめの本と読書感想文を書く際のポイント
お子さまに前向きに読書に取り組んでもらうために必要なのは、保護者が読ませたいものを無理強いしない、ということです。推薦図書など、「子どもに読ませたい」という本があるかもしれません。しかし重要なのは、それぞれのお子さまに合わせた本を提案してあげることです。
小学1年生だからと言って、教科書のような本を選ぶのではなく、時には絵本を勧めるなど、子ども目線で楽しめそうな本を選びましょう。読書自体を楽しめて初めて、読書感想文に意欲的に取り掛かることができます。読書感想文、という視点だけではなくお子さまの性格に合わせて楽しめる本をご紹介します。感想文を書くときのポイントも合わせてご案内するので是非参考にしてみてください。
文章を読むのが苦手なお子さまにおすすめ:「ランドセル名作 3つのプレゼント」
1人で本を読み始める年代の、小学1年生にぴったりの名作シリーズです。「3つのプレゼント」には「小人とくつや」「けんじゃのおくりもの」「しあわせなおうじ」がラインアップされています。すべてカラーでイラストがふんだんに使われており、文章を読むのが苦手なお子さまでも楽しむことができます。短いお話から長いお話へと続くので、まずは読み聞かせから初めてお子さまの関心を高めるのにもよい本です。
https://hon.gakken.jp/book/1020480300
・感想文のポイント
イラストが充実している本は、文章だけではなくイラストから感じた印象を書くことで、内容の充実した感想文が書けます。「たくさんの靴に囲まれた小人が幸せそうだった」など、イラストに対する感想も感想文に盛り込みましょう。
長い文章が苦手なお子さまにおすすめ:「なぜ? どうして? かがくのお話1年生」
「にじはなぜできるの?」「バナナにたねはあるの?」など、身近な科学の疑問への答えがつまった1冊です。勉強を始めて疑問がいっぱいの小学1年生が楽しく科学を学べます。疑問と回答という組み合わせなので、構成がわかりやすく理解しやすい本です。
https://hon.gakken.jp/book/1020314500
・感想文のポイント
疑問、回答、驚いたことや新たに気づいたこと、というように順序だてて書くことで流れのしっかりとした読みやすい感想文を書くことができます。どうやって書き始めたらよいかわからない、どうやって書き進めたらよいかわからない、というお子さまの悩みを減らせる本です。
読書好きのお子さまにおすすめ:「10分で読めるお話 1年生」
読書感想文を書くのは苦手でも読書は大好き、というお子さまにおすすめの1冊。1年生が負担なく、しかも楽しく読める日本と世界の名作を12話収めた短編集です。バラエティーに富んだ内容なので、読書好きのお子さまの「次が読みたい」という気持ちにこたえられる本です。アンデルセンの「五つぶのえんどうまめ」などが収録されています。
https://hon.gakken.jp/book/1020220300
・感想文のポイント
古くから読まれているお話には、戒めや昔からの知恵が隠されています。読書後に親子で「このセリフって本当はこんなことが言いたかったんじゃないかな」などと話し合うことで、感想文を書く前の頭の整理をすることができます。取り上げるお話を1つに絞り込み、親子で話し合って理解を深めることが、スムーズに感想文を書くための準備になります。
時にはちょっとした手助けを
お子さまの気持ちを大切に思いお子さまの書く読書感想文には口出ししない、という方もいますが、時にはちょっとした手助けも必要です。書く内容を指示するのではなく、「お話の中で一番よく覚えているところはどこかな?」「あのとき、主人公はどう思ったんだろう?」などの問いかけをしてあげるだけで、感想を文章にするための手助けになります。物語における注目のポイントや、感動のポイントをお子さまがしっかりと意識できるように導いてあげましょう。
本を好きになってもらうためにできるちょっとした工夫
読書感想文だからと言って、急にお子さまに本を読ませようとしてもなかなかうまくはいきません。普段からちょっとした工夫をしておくことが大切です。
例えばもう1年生だから絵本は卒業…としまい込んだ絵本はありませんか? 絵本は年齢や年代に関係なく絵やお話を楽しめる要素がたくさんあります。特に幼児期に気に入った絵本はたくさんの思い出がつまっています。いつでも手に届くところに置いておくことで、読書の楽しみを忘れずにいることができます。
思い出の絵本に限らず、お子さまのお気に入りの本が入った本棚を、部屋のわかりやすい場所に置くことも有効です。お子さまが自分から本を読める環境を用意してあげることで、お子さまにとって読書が身近なものになります。
まだあまり読書に親しんでいない小学1年生の時期は、少しずつ読書に親しみ、読書感想文に取り組む際にはお子さまに合わせた本を一緒に選んであげるようにしましょう。お子さまたちの心は保護者が思う以上に豊かです。うまく感想を言葉にできるように導いてあげれば、「面白かったことをつたえたい」という思いで読書感想文を書きあげることができるのではないでしょうか。
ライター:上田 理津子
教育関連から生活関連のライティングまでこなす女性ライター。 幼稚園教諭5年間、図書館児童書担当2年間、保育園事務3年間と、子どもの保育・教育現場に長年携わり、今も教育に関する高い関心を持っている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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