子どもは、そもそも勉強がきらい!?

和田秀樹『「勉強が得意な子」をつくるお母さんの戦略』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2015.08.07
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 「子どもはもともと勉強がきらい」と考えたほうがいいという教育者もいますが、私自身は小学校入学前の子どもに、「勉強がきらい」という子はほとんどいないと考えています。むしろ、小学校入学を心待ちにして、「勉強ってどんなんだろう。早くしてみたいな」と素直に思っている子ばかりではないでしょうか。
 仮に「勉強がきらい」という子どもがいたとしても、「頭がよくなりたい」と感じていない子はいないと思います。やはりみんな、「字が書けるようになりたい」「計算ができるようになりたい」「少しでも大人に近づきたい」と思っているのです。
 
 では、なぜ勉強がきらいになるのでしょう?
 まず最初に挙げられるのは、“わからない”“できない”ことが出てくるからです。
“わからない”とは、学校の授業が理解できないということです。
 小学校は1クラス30〜40人の子どもに、たったひとりの先生が教えます。さらに限られた時間割の中で、クラス全員がわかるように説明をすることはとても難しいでしょう。しかたがないことのように思います。しかし、子どもはその状態が続くと、どんどんついていけなくなり、勉強が楽しくなくなります。
 次に、“できない”とは、授業にはついていけるのですが、なぜかテストでは点が取れないことです。勉強の内容はわかっているつもりなのに、テストで点が取れないなんて、これほどつまらないことはないでしょう。カン違いしたまま覚えていたり、計算違いなどの単純ミスがあったり、何かしらの原因があります。

 そして、勉強がきらいになる最大の理由とも言えるのが、「頭悪いね」「こんなのもできないの?」などと馬鹿にされることです。せっかく頑張って勉強していても、そのたった一言で、一気にやる気も自信も失います。そして勉強にネガティブなイメージをもつようになり、“勉強”と言われるものが、すべてきらいになるのです。

 次回、子どもが「勉強がきらい」にならないよう、親ができることをお教えします。

和田 秀樹 (わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。精神科医・教育評論家。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学等を専門とする。受験アドバイザーとしても精力的に活動し、志望校別勉強法の通信教育・緑鐵受験指導ゼミナールを主宰。東京大学をはじめとする難関大学に挑戦する受験生を指導している。映画初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、文化面でも幅広く活躍中。

作品紹介

「勉強が得意な子」をつくるお母さんの戦略
小1スタートダッシュ・9歳の壁・中学受験 失敗しない48の方法

はじめての子が小学校に上がるお母さんに向け、受験の神様・和田秀樹先生が「失敗しない受験戦略」をコーチ。中学受験ママ必読!
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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