◎迷いは締め切りをつくって整理する◎
悩みごとは、「どうしたらいいのか」と考えているだけでは、なかなかいい結論が見つからないものです。
こういう場合は、悩みごとに対して「締め切り」を決めることで、マイナスの感情を捨て去ることができます。
仕事で、「今週の金曜日までに」と言われた時と、「特に急がないのでよろしく」と言われた時では、どちらが「すぐに取りかかろう」と思えるでしょうか?
おそらく、「金曜日まで」と締め切りを指定された時でしょう。
この心理を応用して、「この悩みについて考えるのは、ここまで」という期限を自分で設定するのです。
すると、同じことでウジウジと悩み続けることがなくなります。
三十五歳のあるOLは、自分の将来について思い悩んでいました。
大学を卒業してからずっと勤めている今の会社に「このままい続けていいのだろうか」と迷うようになったのです。
理由は、尊敬する起業家から「私と一緒に仕事してみないか」と声をかけられたからです。
「尊敬する起業家と一緒に働きたい」という思いと、「今の会社は収入や福利厚生の面が安定しているから、辞めるのは恐い」という思いがせめぎ合っている状態です。
そこで彼女は、「一年後」という締め切りを設定しました。
一年間は今の会社で仕事に打ち込みながら、起業家の会社についてもリサーチすることにしたのです。
「締め切りを決めてから気持ちがすっきりして、将来のことを現実的に考えられるようになった」と彼女は言っています。
すぐに結論が出ない悩みでも、締め切りがあれば、心を軽くすることができます。
うえにし あきら
東京都出身。著述家。 学習院大学卒業後、資生堂に勤務。 独立後、人生論の研究に従事。 独自の「成心学」理論を確立し、人々を元気づける著述活動を開始。 1995年、「産業カウンセラー」(労働大臣認定資格)を取得。 主な著書に、『折れない心をつくるたった1つの習慣』(青春出版社)、『平常心のコツ』(自由国民社)、『「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉』(三笠書房)など。
作品紹介
心のそうじ
心配事と不安が消える88の言葉内向型の人が自分らしく生きるための本
人生はシンプルになるほど生きやすい! 人気カウンセラー・植西聰による、心配事や不安が消えて穏やかに生きるためのエッセイ集。
定価:本体1,200円+税/学研プラス