第7回 「人前でしゃべるのが苦手」を乗りこえる六つの対処法

スーザン・ケイン『静かな力』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2018.04.19
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

手を挙げるとき、心臓がドキドキしていても気にしないこと。ほとんどの人がドキドキしているのです。それでも発言することに意義があります。そのための作戦をまとめてみます。

先手必勝

ディスカッションのテーマが前もってわかっているのなら、なにを発言するかを考えておきましょう。自分の意見をまとめたり、アイディアを出しておいたりして授業にのぞみ、ディスカッションが思わぬ方向にそれていく前に、発言してしまいます。

タイミングを見きわめる

どのタイミングでディスカッションに入っていくのが、自分にとって一番気楽かを考えます。そして、どんなふうに入っていったらいいかを考えます。話の口火を切るのが好きな人もいれば、ほかの人の発言につけたすような形で発言するほうがいい、という人もいるでしょう。じっくり考えて質問するタイプだとまわりから思われたい人もいれば、あえて反対意見を出したがる人もいるでしょう。自分にとって楽なやりかたを選ぶことです。

メモを見て話す

しゃべっているあいだに頭が真っ白になるんじゃないか、そんな心配があるなら、考えていることをメモしておいて、もしものときはそれを見て話すとよいでしょう。

授業のあとで話す

言いたいことがあるのに手を挙げる勇気が出せなかったとしたら、放課後、先生にメールをしたり、手紙を渡したり、直接話したりして伝えてみましょう。授業をちゃんと聞いていたし興味も持っている、ということが先生にもわかってもらえるはずです。

クラスメートを観察する

誰かが意味のない発言をしたり、間違ったことを言ったりしたら、みんなの反応を見てみましょう。誰も気にしていないということがわかります。間違えた人を責めることなく、寛大に受け止めましょう。そうすると、自分の間違いも許せるようになります。答えが間違っていようが、声が少しばかりふるえていようが、たいしたことじゃないと気づくでしょう。
「間違えちゃったとしても、次の人が当てられるだけだもの」
アニーという子がそう言っていました。

モチベーションを作る

学校生活を充実させるには、自分なりの情熱を持つことが一番大切です。自分の第一の目標はなにか、考えてみてください。どんなテーマでも、真剣になればなるほど、発言もしやすくなるはずです。

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は4月26日掲載予定です。)

スーザン・ケイン
プリンストン大学、ハーバード・ロースクールを卒業。<静かな革命>の創設者のひとり。著作の『Quiet』(邦訳『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』、古草秀子訳、講談社)は、世界40の言語に翻訳され、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーになる。出演したTEDの動画の視聴回数は1800万回を超える。「思慮深いリーダーシップ」で、ハーバード・ロースクールのCelebration Award を受賞。『Inc.』誌により、「世界のリーダーおよびマネジメント専門家50人」に選ばれた。現在、夫とふたりの息子とともに、ハドソンリバーバレーに在住。

グレゴリー・モーン
作家。ビル・ナイとの共著により、『Jack and the Geniuses 』シリーズをはじめとする子ども向け読み物を多数発表している。

エリカ・モローズ
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーとなった多くの子ども向け読み物の出版に、執筆協力者または共著者として関わっている。作家のほかに、助産師、陶芸家の顔も持つ。ニューヨーク在住。

【訳】西田 佳子 (にしだ よしこ)
名古屋市生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。英米文学翻訳家。訳書に〈警視キンケイド〉シリーズ(講談社)、『赤毛のアン』『小公子セドリック』『すごいね! みんなの通学路』(いずれも西村書店)、『ホートン・ミア館の怖い話』(理論社)、『テラプト先生がいるから』(静山社)、『わたしはマララ』(学研/共訳:金原瑞人)、『僕には世界がふたつある』(集英社/共訳:金原瑞人)などがある。

作品紹介

静かな力
内向型の人が自分らしく生きるための本

全米ミリオンセラー『Quiet(内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力)』のスーザン・ケインによる同テーマの最新刊。
定価:本体1,400円+税/学研プラス

バックナンバー

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい