ないもの以外、全部ある!

佐藤 伝『行動習慣コンパス』セレクション

更新日 2020.07.27
公開日 2015.02.03
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 感謝の反対語って何でしょうか?
 考えたことありますか。 
 う〜む、何でしょうね。
 非感謝? 不感謝? 
 そんな言葉はありませんよね。

 実はそれは、「あたりまえ」。
 感謝の反対語は、この「あたりまえ」なんです。

 電車が走っていてあたりまえ、電話は通じてあたりまえ、食事ができてあたりまえ、家族がいてあたりまえ、……あたりまえ、あたりまえ。
 でも、それって、本当に、「あたりまえ」のことでしょうか?

 突然ですが!
 ここで、チェックテストをしてみましょう。

 下にある2つの円をチラッと見てください。
 Aの円とBの円、あなたはどちらに強く引きつけられましたか?

 Aの完全な円に引かれた人は、心身ともに満たされていて、幸せの上にさらなる幸せを積み重ねていける幸運体質です。
 あるものはある、ないものはないと、「今あるもの」に注目できる人です。
 どんな状態でも、不平・不満・グチをこぼさず、それゆえ次々と幸運に恵まれます。
 一方、Bの不完全な円のほうに目を奪われた人は、欠けている部分、「ないもの」にフォーカスしてしまう心のクセがあります。

 私たちは、つい「ないもの」ばかりに目がいってしまいがちです。
「○○さんのところは、立派な一軒家だけれど、うちは違う」
「○○さんのところは、外車があるけど、うちはない」
「同僚はみんな、ブランドのバッグを持っているけど、私は持ってない」

 今の自分にないものを書き出してもらったら、多くの人がノート3ページくらい、ぎっしり書けるはずです。
 では、こういうリクエストをしたらどうでしょうか?
「あなたにあるものを書き出してください」
 おそらくなかなか筆が進みません。
 
 それはあるものが見当たらないからではなく、たくさんありすぎて、とても書き出すことなんてできないからです。

 Bの不完全な円に心が引かれた人に、この言葉を贈ります。

「ないもの以外、すべてある!」
 これは、マンガ『キン肉マン』の中で、ラーメンマンが発したセリフです。

「ないもの」を獲得して心を埋めていけば、幸せになれるはずだという幻想を抜け出さないと、いつまでたっても「まだ・もっと地獄」から抜け出せません。
「まだ足りない、もっと必要だ! こんなんじゃダメだ!」

 人と比べて、こんなにも自分は不足しているという発想で生きると、それを埋めるだけの人生になってしまいます。
 永遠に満足できないまま、いつもイライラ・カリカリして「なんとなく満たされない」状態に陥ってしまうのです。

 たえず何かが足りないという不足感・欠乏感。
 私はこれを「不欠(ふけつ)」と呼んでいます。
 この不欠こそが、人間の不幸感の元凶です。
 自分にないものを数えるのではなくて、あるものにフォーカスしましょう。

 

佐藤 伝 (さとう でん)

【習慣の専門家】行動習慣マイスター 1958年生まれ。福島県出身。明治大学卒。
都心にて創造学習研究所を30年間にわたって主宰。
NHK テレビ「おはよう日本」や雑誌「日経ビジネス アソシエ」でも、習慣のエキスパートとして紹介される。
氏の一貫したテーマは「習慣」であり、「習慣」に関する著作は、国内外で累計100 万部を突破している。 上場企業や教育機関での「行動習慣」についての講演は、わかりやすく具体的で、すぐ実践できるとその即効性が大好評。 問題解決9マス・ノートは、海外のメディアにも取り上げられ、ウィーン講演に続き、ニューヨーク・ミラノでも講演依頼が入るなど、その活躍のステージを広げている。 「なんとなくイイ気分」で生きることが最も大事と、独自の理論を展開。 そのスピリットを世界に伝えるため、自宅で学べる「行動習慣ナビゲーター認定講座(Dream Navigator?)」をスタートさせ、超・人気講座となっている。 親しみやすく謙虚な人柄から、「習慣といえば、伝ちゃん先生」と幅広い年齢層に慕われている。 国際ナイン・マトリックス協会会長

■佐藤 伝・公式サイト

http://satohden.com
■行動習慣ナビゲーター認定講座・公式サイト

http://kodoshukan.jp

 

作品紹介

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