先行試し読み 第2回
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「私、友だちはお互いを大切にできる人だけでいい」
連続ドラマ「屋根裏の恋人」より。2017年フジテレビ系列にて放送。
主人公・衣香(石田ひかり)が親友・杏子(三浦理恵子)と決別するシーン。杏子は衣香の夫・誠(勝村政信)と不倫をして衣香を裏切っていた。
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昔の私は、誰とでも仲よくでき、友だちは多いほうがいいと信じていました。
でも、あるとき、ふとこんなことを思いました。
「もしも万が一、私が殺人犯になったとしたら、友だちの何人が私を理解し、そばにいてくれるだろう?」
その答えを心で思い描いたとき、愕然としました。
たったひとりの名前しか浮かばなかったのです。
そのとき私は、時間や体力といった自分のエネルギーをムダ遣いしていることに気づきました。
そんなに好きでもない人の誘いに乗ったり、話を合わせたり。
まず、それをやめて、とことん自分の「好き」にこだわることにしました。
「好きな人」「好きなこと」にエネルギーを注ぐだけでも結構パワーがいるのに、そうでもないものに気を散らしているのがもったいなくなったのです。
何が嫌いで何が好きかを明確にしていくことは、大きな心の断捨離です。
そうすることで、自分が「どんな人なのか」ということがあらわになってきます。
それが明確でないと、人に「自分」をわかってもらえません。
ありのままの自分を隠さず表現し、そんな自分を受け入れてくれない人とは最初からつき合わなければよいのです。
このドラマ「屋根裏の恋人」を書きはじめたとき、私は長い黒髪をピンクのショートに変えました。「もう、"ほどほど”はうんざり」という気持ちのあらわれでした。
それ以降、人間関係が楽になりました。
つき合う友だちの数は減ったかもしれません。
しかし、気がついたら、一生つき合っていく深い絆の仲間ができていました。彼らとは、心に思ったことはなんでも話し、ケンカもできます。
これは、私が友だちの数を求めて、多くの人に好かれるよう人に合わせて生きていたら、結ばれることのなかったご縁だと痛感しています。
友だちは少なくていい。
心のすべてを打ち明けられる人だけでいい。
私が、そう「心」で決めたから、現実が理想に向かって動き出したのです。
(次回は、5月12日・10:00頃配信予定です)
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2018年5月18日発売予定
『「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?」』
著者:旺季志ずか(おうきしずか)/定価:1300円+税
【アマゾン、書店で予約受付中】
「読んだら 感想聞かせてね〜。#そろ生き つけてくれたら読みにいくよ」
(著者・旺季志ずかより)
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旺季 志ずか (おうき しずか)
脚本家。徳島県生まれ。立教大学卒業後、女優を志すも挫折。高層ビルガラス清掃から銀座ホステスまで、50種類の職を経験した豊富な人生経験を生かし、数々のヒットドラマを生み出す。代表作に「屋根裏の恋人」「ストロベリーナイト」「佐賀のがばいばあちゃん」「女帝」など。不幸だった自らの人生を変えるべく心理学や哲学を学んだ、自称「心」オタク。その知見を盛り込んだ著書『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』『虹の翼のミライ』(ともにサンマーク出版)では、「エンタメ自己啓発小説」という独自の分野を確立した。本書は著者初のエッセイとなる。
作品紹介
誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?
「ストロベリーナイト」「屋根裏の恋人」の人気脚本が描く、どん底からすべてを手に入れる女(ひと)の過激な生き方マニュアル!
定価:本体1,300円+税/学研プラス
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