自分の感覚に素直になると、次第に、心の奥底に隠れていた「自分らしさ」が出てきます。
　ここでのポイントは、その「らしさ」を大切に思うこと。ほかでもない自分が幸せになるのに、自分らしさが置き去りになっては元も子もありません。
　私自身、いつも「もっともっと自分らしく」と考えています。この言葉を思い浮かべるたび、「考え方が変わったなぁ」と実感します。
　起業したてのころの私は、自分と周りを比べて、自分も同じようになろうと必死でした。
「あ！　あの人たちみたいに、ああしなきゃ……」「私も、こうしたほうがいいのかなあ……」「私、全然できてない……」などなどと、ひと言で言えば、自分のしていることに自信がなかったのです。
　だから、しょっちゅう周りと自分を比べては不安に陥ったり、逆に人と同じようであることで安心を得ようとしたりしていました。
　でもあるとき、「それってちょっと変だな」と気づいたのです。
　他人が設けた基準を気にして、自分で自分を認めてあげていないなんて、自分が心地よくないことをしているなんて、そんな気持ちで人前に立つなんて……。
　すべてが「自分不在で、他人軸で生きること」であり、それでは自分の幸せを叶えることなんてできない、と腑に落ちたのです。
　自分の幸せを決めるのは、自分自身。
　こう考えるようになったら、「楽しい道はどっちかな？」「心地よいほうはどっちかな？」と、自分の感覚に従って考えられるようになりました。
　幸せのカギは「自分らしさ」にあるのだと、やっと気づくことができたのです。

「自分の心地よさ」が、すべての基準です。
　ほかの人の基準と比べなくていい。誰がなんと言おうと、自分が一番心地よいと思えることをする。それが、人生をみるみる輝かせる方法です。
　だから、「自分らしさ」を、もっと愛しく思ってください。

　何をしていても、「自分らしく生きている人」って、素敵です。
　自分の好きなこと、本当に大切にしたいこと、心がワクワクすることは何かと考えてみると、「自分らしさ」が見えてきます。反対に、苦手なことや、心がザワザワすることは、きっと自分らしくないことです。
　仕事に一番の喜びを感じるなら、それが自分らしさ。
　感謝する生き方が心地いいなら、それが自分らしさ。
　家族と過ごすことが大切で、仕事はその次なら、それが自分らしさ。
　ピンクが好きなら、それが自分らしいテーマカラー。
　いつも笑顔でいたいなら、それが自分らしいトレードマーク。
　大人数でいることが苦手なら、群れないことが自分らしい生き方。
　誰にも遠慮せず、こうした「自分らしさ」を大事にしながら、人生を形づくっていきましょう。

水原 ゆり (みずはら ゆり)