受験勉強などで問題集に取り組む場合、わからない問題を解こうといつまでも頭をひねるとしたら、300万の人にありがちな、「真面目という性格ゆえの落とし穴」にはまっている可能性がある。
1億の人は、問題文を読んで「知らない」「わからない」と判断したらすぐに答えを見る。これは受験勉強のノウハウではすでに定説なので、ご存知の人も多いと思う。
この方法がポピュラーになったのは、受験研究家にして精神科医でもある和田秀樹氏の著作『受験は要領』(ごま書房刊・絶版)による。氏はこの本で、正答への道筋を熟考することよりも、それに至る解法をとにかくたくさん暗記することを優先する「暗記数学」という方法を提唱している。
要は正しい解法パターンを大量にインプットすることで応用が利くようになるという理論だが、その有効性は多くの高校・大学受験者が実感しているという。
ただしこれが有効に作用するには条件がある。それは、そもそも解法パターンが存在し、それに当てはめれば解けるという問題に限られる。社会人の勉強の場合でいえば、資格試験や昇級・昇格試験などだろう。
時短でサクサク脳を動かす
この方法が評価できるのは、短時間に大量のインプットをすることで、問題演習にかかる時間を短縮することができるという点だ。
初学者の頃はそもそも知識不足だから、知らない問題にウンウンうなっても、解けるはずがない。脳は疲労するし時間も無駄になる。もちろんヤマカンで正答したところで意味はない。
それよりも、「これは知らない」「解法が思いつかない」と判断したらすぐ答えを見て、その解説を読んだほうが早い。
そこでよく行われる勉強法が、問題集から解答・解説部分を取り出して、すぐ脇に置き、「わからない」→「正答を見る」→「解説で解法と理論を知る」というこの3ステップを素早く行うことだ。そうやって問題集をサクサク進め、何回転も繰り返すほうが記憶の定着率も上がる。
(※この連載は、毎週火曜日・全8回掲載予定です。4回目の次回は、7月25日掲載予定です。)
午堂 登紀雄 (ごどう ときお)
1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。
作品紹介
「使えない男」が勉強に勉強を重ねた結果、お金が次々に貯まっていく毎日を手に入れた。いったい、どんな「勉強」をしたのか?
定価:1,300円+税/学研プラス