300万の人のテキストは マーカーでカラフルだが 1億の人のテキストは 書き込みで真っ黒

午堂登紀雄『年収1億の勉強法 年収300万の勉強法』セレクション

UPDATE 2020.07.20
公開日 2017.07.25

 テキストを読み、重要部分にはアンダーラインや蛍光マーカーを引く。
 誰もがやりそうなこの行為、意外にも学習効果を下げるリスクがあることを知っているだろうか。
 その理由は、「線を引く」行為自体が目的化してしまい、理解しよう、覚えようとするのではなく、線を引く個所を転々と探すだけになりやすいからだ。線を引いたことで安心し、復習を怠りがちな点も指摘されている。

 もちろん、自分で手を動かしたほうが記憶に残りやすいのも事実。そこで、マーカーの欠点を補う方法として、書き込みという方法がある。何を書き込むかというと、重要部分を「自分の言葉」に置き換えて書き込むのだ。

理解が進む瞬間に気づく

 たとえば、本書の第1章に「人生哲学」と「学問としての哲学」という言葉が並んで出てくるところがある。どう使い分けているのかを、次のように自分自身の言葉で書こうとするとどうだろうか。
「人生哲学は……その人の主義みたいなもの? 学問としての哲学は……プラトンとか?」
 というふうに、意識をいったん立ち止まらせると、目の前の文章に向き合うことになる。自分の言葉に置き換えて手を動かすことで、より深い理解につながる。
 そして自分で書いた文字であれば、「確か……テキストのあのページ、あのあたりに書いてたはず」などと、思い出せる確率も上がる。
 書き込む際、自分の言葉に自信がなくてもかまわない。初めは理解が足りないのは当たり前で、繰り返すうちに、
「ああ、前に書いたのはちょっと表現が違っていたかも。これは実はこういうことだな」
 と、理解のレベルが一段階進む瞬間がある。
 この「あ、そういうことか! わかった!」という感覚は脳にとっての快感なので、さらに記憶が確かになる。そしてその個所を修正しておく。

マーカーが威力を持つとき

 そうやって自分の言葉で書き込むことにより、市販のテキストが自分オリジナルのテキストになる。
 ただしこの方法の欠点は、テキスト1冊を読み終えるのに非常に時間がかかることだ。そのため、難解な部分、苦手な部分、あるいは深い理解が必要な部分などに限ったほうがよさそうだ。

 なお、マーカーが威力を発揮するケースもある。
 学術論文など膨大な文字量の文献で、論の流れを知りたいというケース、あるいは、確認のために要点だけをかいつまめるようにしておきたいというケースでは、マーカーのほうが適している。

 この場合、マーカーを引いたページに付箋を貼ったりページの端を折ったりしておくと、アクセスの効率が良くなる。

(※この連載は、毎週火曜日・全8回掲載予定です。5回目の次回は、8月1日掲載予定です。)

 

午堂 登紀雄 (ごどう ときお)

1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。

 

作品紹介

年収1億の勉強法 年収300万の勉強法

「使えない男」が勉強に勉強を重ねた結果、お金が次々に貯まっていく毎日を手に入れた。いったい、どんな「勉強」をしたのか?

定価:1,300円+税/学研プラス

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