「整理収納アドバイザー」という仕事があります。
片づけのプロです。
僕は、アドバイザーさんたちから、悩みごとを相談されます。
お客様の家に行って、きれいに片づくと、お客様は感動してくれます。
この瞬間は、うれしいです。
そのあと、しばらくたつと、リバウンドするのがむなしいと言うのです。
片づけの本質は、片づけることをキッカケに、生まれ変わることです。
整理収納アドバイザーの仕事は、お客様と一緒に片づけながら、お客様の生き方を変えることです。
ただ片づけるだけでは、生き方は変わりません。
次の日からまた、家にモノがあふれ始めます。
この本は、片づけるための本ではありません。
片づけることをキッカケに、自分が生まれ変わるための本です。
片づけることは、目的ではなく、生まれ変わるキッカケです。
「片づける」イコール「捨てる」ということです。
整理整頓の「整理」は捨てること、「整頓」はそろえることです。
9割は、整理です。
捨てるのは、モノではありません。
究極、モノはとっておいてもいいぐらいです。
捨てるのは、思い込みです。
思い込みを捨てることによって、人間は生まれ変わります。
モノを捨てられない人は、切りかえが苦手です。
昔の恋人のモノを、いつまでもとっておきます。
「1つの恋が終わった」という、切りかえができないのです。
「なんで、なんで、なんで」と未練が残っています。
過去の栄光がらみのモノも、捨てられません。
コンテストの盾やトロフィーを、いつまでもとっておきます。
昔の成功や幸せに、しがみついているのです。
それでは、次の未来に向かって進めません。
モノを捨てることで、新たな明日への1歩を、踏み出すことができます。
これが、「片づける」ということなのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
片づけられる人は、うまくいく。
人生を変える「捨てる」習慣65
片づけられる人は、仕事でも、恋愛でも、チャンスをつかむ。「捨てる」ことで、人生が変わる65の方法を紹介する。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 片づいている人は、 誘われてすぐ出かけられる。
- 「少し足りない」が、ぜいたく。
- 安いから買ったモノには、 愛がない。
- 仕事の前に、片づけるのではない。 片づけることが、仕事だ。
- 片づいた部屋ではなく、 片づいた部屋にいる自分をイメージする。
- 大きなモノより、小さなモノで差がつく。
- 片づけることで、事故をなくそう。
- 部屋を片づけることで、考え方を変えるキッカケができる。