ノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」。この技術で22世紀タイをつくった研究者といっしょに、食べ物の過去と未来を考える。小学校中学年から。

　私たちが食べているおいしいお魚やお肉、野菜。
　その多くは、人間が品種改良によって長い年月をかけて今の姿に変えてきたものです。
　その変化を、あっという間に起こせる新技術が、2020年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」。そして、この技術を使ってつくられたのが、通常のマダイよりもぶあつくて大きい「22世紀タイ」です。
　可食部は最大で、通常のマダイの160%あり、食りょう問題を解決する方法のひとつとして注目されています。

『22世紀からきたでっかいタイ　ゲノム編集とこれからの食べ物の話』は、22世紀タイをつくった京都大学の研究者・木下政人先生との会話を通して、こうしたゲノム編集技術や、人の手によって開発されてきた食べ物の歴史を知り、未来を考えられる1冊。木下先生と小学生が会話をしながらお話が進む構成で読みやすく、図解も豊富に収録されています。はじめて「食」と「生き物のしくみ」を知るのにぴったりのノンフィクションです。

本書の特徴

●ポイント１：会話形式で読みやすい

　会話形式で進むので、わかりやすく、どんどん読み進めることができます。

●ポイント２：写真や図、コラムも豊富

　わかりやすく内容を伝える写真や図、コラムなども豊富に掲載しています。

●ポイント３：巻末に用語集を収録！

「遺伝」や「ゲノム編集」など、普段はあまりなじみのない、本書に出てきた言葉を紹介しています。むずかしい言葉が出てきても、すぐに調べられます。

あらすじ

　京都市内の鮮魚店の娘、海野さんは、とてもぶあつい「22世紀タイ」を知りました。
　どうして、このタイは、ふつうのマダイとちがうのだろう？
　そのひみつを夏休みの自由研究にするために、22世紀タイをつくった木下先生のもとを訪れます。

＊この本では科学的事実をベースに、親しんで読めるよう物語仕立ての創作を行っております。

　発刊を記念して、著者の木下政人先生よりメッセージをいただきました。

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［木下政人先生からのメッセージ］
　この本は、食べ物をつくるための新しい技術を紹介します。科学はどんどん発展していき、つぎつぎと新しい技術が生まれていきます。身のまわりで使われはじめる「新技術」を正しく理解して、どんなふうに使っていくのがよいか、考えることが大切です。
　毎日食べているものが、これまでどんなふうにしてつくられてきたのか。新しいゲノム編集技術は、どういう技術なのか。この技術を、食べ物づくりにどんなふうに使えばよいのか。それを、この本を読んで考えてもらいたいと思います。

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［目次］
　プロローグ
・１日目　食べ物と生き物の小さくて大きなひみつ
　コラム　いろいろな生き物の細胞
　コラム　研究者の仕事
・２日目　ゲノム編集ってなんだ？
・３日目　いよいよ実験！　でっかいタイをつくる
　コラム　遺伝子組換えとは
　エピローグ
　コラム　いろいろなゲノム編集食品
　この言葉ってどんな意味？
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【著者情報】

　木下政人
　1962年生まれ。滋賀県出身。京都大学大学院農学研究科水産学専攻修了、農学博士。メダカを中心に遺伝子の働きやその産業応用に関する研究を行っている。日本水産学会論文賞（2005年）、科学技術振興機構（JST）大学発ベンチャー表彰 経済産業大臣賞（2021年）、日本オープンイノベーション大賞（内閣府）農林水産大臣賞（2022年）を受賞。

商品の紹介

■書名：『環境ノンフィクション　22世紀からきたでっかいタイ　ゲノム編集とこれからの食べ物の話』
■著：木下政人
■発行：Gakken
■発売日：2024年8月1日
■定価：1,650円（税込）

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