ひとりの娘の小さな恋が、日本の歴史を大きく変えた! 北条政子波乱の生涯を描く伝記まんが
『学研まんが NEW日本の伝記 北条政子』
源頼朝とともに鎌倉幕府を樹立した北条政子。夫の死後に待っていたのは血で血を洗う御家人の争い、北条家の内紛、相次ぐ家族の死。その苦しみを乗り越えた先にあったものとは……。
世界の歴史に残る登場人物は男性が多くを占めます。とはいえ、イギリスのエリザベス女王や、中国の武則天のように大活躍した女性も少なくはなく、現在の世界の指導者でも女性の占める割合はどんどん増してきています。
日本史でいちばん重要な女性人物
日本史でも、教科書に載るような人物は男性がほとんどで、たいていがヒゲを生やした怖そうな顔をしています。その数少ない例外が本書の主人公「北条政子」です。彼女の像を見ると、とても優しそうな顔をしていますが、その生涯、特に後半生は苦難が続き、そしてそれを強い意志と行動力で乗り越えたのです。彼女がいなければ、その後600年以上続く武家社会は早々に終わっていたかもしれず、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった「ヒゲ」の英雄たちも出てこなかったでしょう。
歴史を変えた、政子と頼朝の出会い
平安時代末、平清盛率いる平家一門が栄華を誇っていたころ、伊豆の豪族・北条氏の娘、政子は源頼朝と出会います。頼朝は平治の乱で清盛に敗れ、情けで命を助けられて伊豆に流されていたのです。二人は恋に落ち、父の北条時政をはじめ、周囲の人々の猛烈な反対をはねのけて結婚します。
突然の頼朝の死、悲しみの中、押し寄せる困難
その後、頼朝は平家を倒し、鎌倉幕府を樹立したものの、1199年に亡くなります。苦難はここから激しくなるのです。御家人の間での血で血を洗う争い、北条家の内部抗争、次々と先立つ子どもたち…。弟の義時と力を合わせ、それらを生き抜いた政子の前に、最大の危機が訪れます。幕府と京の後鳥羽上皇との間に発生した承久の乱です。
夫・頼朝が築いた鎌倉幕府を彼女がどう守ろうとしたのか――日本の歴史の中で屈指の名シーンといわれる場面も活写しています。
歴史の中で戦い続けた女性たち
歴史書では見えづらいのですが、歴史は男性と女性が力を合わせて織りあげてきたものです。頼朝に政子がいたように、平清盛や織田信長、西郷隆盛といった英傑たちとともに時代と戦った女性たちがいました。そんな女性たちの代表として北条政子の生涯を知ってもらえればと思います。
見返しや巻末の資料ページには政子ゆかりの品や関連する史跡、年表などを掲載しています。2022年の大河ドラマでは弟の北条義時が主人公です。義時の人生は姉の政子によって導かれたものでした。ぜひその予習として、またより深く知るために本書を手に取っていただければ幸いです。
商品の紹介
■書名:『学研まんが NEW日本の伝記 北条政子』
■監修:野村朋弘(京都芸術大学准教授)
■発行:学研プラス
■発売日:2021年11月18日
■定価:1,320円 (税込)