その不調、「体質」なんかじゃない!
慢性的なのどの痛み、頭痛、胃腸虚弱…つらくしつこい体の不調に、長年悩まされているという人も少なくないと思います。医師の診断を受けても決定的な原因は示されず、体質的なものだとあきらめている方も多いのではないでしょうか。
その症状、実は「上咽頭」の炎症が原因かもしれません。ジョウイントウ…あまり一般的ではない言葉ですが、鼻の奥にある呼気の通過点で、呼吸にまぎれたウイルスが体内に進むのを阻止する、大切なエリア。ここが炎症を起こすと、十分な防御ができずにウイルスの侵入を許し、体中に不具合が生じてしまうのです。
長引く不調は体質のせいではなく、上咽頭炎に起因している可能性が非常に高いのです。
免疫システムが崩れると、病気のリスクが一気にアップする
鼻から吸った息は、鼻毛のおかげである程度の不純物が取り除かれますが、そこをすり抜けた小さな物質は、上咽頭部分で粘膜に吸着されて捉えられます。鼻毛エリアを突破した悪いウイルスも、ここでリンパ球という防衛隊の御用となり万事休す。痰などの形で排除されることになります。
しかしストレスや過労、外的要因などにより免疫システムの働きが鈍ってしまって、防衛に失敗するケースも少なくありません。そうなると上咽頭部に炎症が引き起こされ、慢性化によってますます機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。この状態こそが「慢性上咽頭炎」。体内への侵入に成功したウイルスは血流に乗って各部へ到達、咽頭とはかけ離れた場所で思わぬ悪さを働いてしまうのです。
今日から始めたい! 慢性上咽頭炎のセルフケア
このように厄介でおそろしい慢性上咽頭炎ですが、改善のためのノウハウがあります。最も効果的な治療法は、「EAT(イート)治療」という上咽頭に塩化亜鉛を擦りつける療法で、専門医でこの治療を受けることで、めざましい改善を図ることができます。
症状の出始めで慢性上咽頭炎を疑う人、または未然に防ぎたい人には、セルフケアがおすすめです。鼻腔、上咽頭の洗浄や口呼吸の改善など、気軽に始められるセルフケアメニューを続けることで、きっと効果を実感できることと思います。
本書により慢性上咽頭炎という病気のしくみを理解しケアノウハウを実践することで、症状に苦しむ多くの方が救われることを期待したいと思います。
著者紹介
堀田 修(ほった おさむ)
堀田修クリニック院長。1983年、防衛医科大学校卒業。医学博士。日本病巣疾患研究会理事長。日本腎臓学会評議員。IgA腎症根治治療ネットワーク代表。2011年9月に「木を見て森も見る医療」の拠点として仙台市内に医療法人モクシン堀田修クリニックーHOC-を開設。
商品の紹介
■書名:『しつこい不調の原因は「慢性上咽頭炎」だった!』
■著:堀田 修
■発行:学研プラス
■定価:本体1,100円+税
■発売日:2019年5月30日
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