準1級のライティングで求められるのは「時事・社会的なテーマを把握して表現する力」だ!

2016年度第1回から,英検準1級のライティングテスト(英作文問題)の問題形式等が変更されました。ここでは準1級の大問4の英作文問題について,出題内容や基本的な攻略法をいくつか見ていきましょう。 もくじ1 大問4の出題内 […]

公開日 2018.05.11
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準1級のライティングで求められるのは「時事・社会的なテーマを把握して表現する力」だ!

2016年度第1回から,英検準1級のライティングテスト(英作文問題)の問題形式等が変更されました。ここでは準1級の大問4の英作文問題について,出題内容や基本的な攻略法をいくつか見ていきましょう。

大問4の出題内容(問題形式)と傾向を確認しよう!

●Write an essay on the given TOPIC.
●Use TWO of the POINTS below to support your answer.
●Structure: Introduction, main body, and conclusion
●Suggested length: 120-150 words
●Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet.
Any writing outside the space will not be graded.TOPIC
Agree or disagree: Companies should be responsible for their impact on the environmentPOINTS
●Natural resources
●Pollution
●Recycling
●Profit

指定されたトピックについて120〜150語程度の英作文を書く問題です。自分の意見とその裏付けとなる理由を,適切な語彙と文法を使用しながら英文で論述する能力が問われます。

問題はAgree or disagree: ~の形か,Do you think ~ should [need to] …? の形でTOPICが示され,それについて賛成か反対かを問う形式です。TOPICの内容は,政治,経済,モラル,環境,教育,医療などに関する時事・社会的なものが多いです。例えば「女性の社会参加」,「e-commerce」,「失業問題」,「親との同居」などが出題されています。

問題では英作文に含めるべきPOINTS(=キーワード)が4つ示され,そのうち2つを使うことが求められます。語数の目安は120~150語で,2級の指定語数の80~100語と比べるとかなり語数が増えます。

構成にも指示があり,introduction(導入)→main body(本論)→conclusion(結論)という展開で作文することが求められます。2級と同様に,採点は「内容」,「構成」,「語彙」,「文法」の4つの観点から行われます。

解答する際のポイントをおさえよう!

求められている内容をしっかり把握する

英作文の内容が的を射ていることが何よりも大切です。TOPICを理解し,さらにPOINTSについてはそれぞれどのような理由に使えそうかを考えましょう。当然それなりの語彙量が求められます。日頃から英字新聞に目を通すなど,時事的なテーマや語句に親しんでおくと,着想や作文の際にとても役に立ちます。

指示された構成を守る

準1級にレベルが上がっても,2級までと基本的な解答の構成は変わりません。次のような構成で作文しましょう。

(1) Introduction:自論をはっきり述べる。
(2) Main body: 選んだPOINTSに関連させながら,2つの理由を述べる。
(3) Conclusion: Main bodyで述べた内容を受けて,Introductionの自論を再提示して結論づける。

適切な語彙と文構造を用いる

できる限りミスを避けることはもちろん,言い換えや接続詞,関係代名詞などを適宜使って表現にバリエーションを持たせることも忘れないようにしましょう。日本語(ローマ字表記を含む)を書くことは減点の対象となります。やむなく行った場合には直後に英語で説明を加えましょう。また,ディスコースマーカーを積極的に使って,まとまりのある読みやすい文章を書くように心がけましょう。

「立場」と「理由」はこうやって決めよう!

英作文問題では,自分の意見,立場を決め,それを理由とともに説明することが求められます。Introduction(導入)での意見・立場の決め方と理由の書き方を具体的に見ていきましょう。

【TOPIC】
Agree or disagree: Companies should be responsible for their impact on the environmentPOINTS
●Natural resources
●Pollution
●Recycling
●Profit

TOPICに対して賛成・反対をはっきり述べる

TOPICは「企業は環境への影響に対して責任を取るべきか」です。TOPICの冒頭にAgree or disagreeとあるので,基本的には賛成か反対かのどちらかの立場で答えます。

[賛成]Companies must be held responsible for the impact they have on the environment.
[反対]Companies should not be held responsible for their impact on the environment.

上記の例ではTOPICの言葉を少しだけ言い換えている箇所がありますが,これは必須ではありません。また,最終的にはI think [believe, agree] thatを足す,for the following two reasonsといったフレーズを加えるなどして語数を調節することも考えましょう。

一般的には「反対」よりも「賛成」の立場からのほうが書きやすいことが多いです。あえて反対する立場をとる場合には,Although environmental problems are partly caused by companies,のように譲歩の一節を加えると書きやすくなることがあります。「人や場合による」,「そう思うが一方でこうも思う」と言ったあいまいな立場は,作文問題の答えとしては好ましくありません。

POINTSを最大限に活用する

各POINTSがTOPICにどのように関連するのかを考えることで,書こうとする解答の全体像がイメージしやすくなります。また,下記のように反対,賛成の両方の立場から検討することで,自分の意見とその理由を決めていくことができます。POINTSから考えられる論点を挙げてみましょう。

POINTS 立場
Agree
(企業は環境への影響に責任をもつべき)
Disagree
(企業が環境への影響に責任をもたなくてもよい)
Natural resources
(天然資源)
①企業は大量の天然資源を消費している。
②天然資源には限りがあり,生成には時間がかかる。
○企業が資源を買うことで発展する国がある。
Pollution
(汚染)
①企業による汚染が深刻である。
②環境に優しい製品を開発することで汚染を減らすことができる。
○汚染は家庭排水やマイカー排気ガスなどによるものが大きい。
Recycling
(リサイクル)
①リサイクル可能な製品を開発することで資源を節約できる。
②リサイクルをすることはものを作り売る側の責任である。
①企業だけで行えるものではない。国が主導すべき。
②リサイクルには多額の費用がかかる。
Profit
利益)
①獲得した利益の一部を社会・環境に還元するべきである。
②利益を優先することで環境を破壊してきた。
①環境保護のために利益を減らすのは本末転倒。
②資源の利用や売買で利益を得るのは正当な経済行為。

立場を決める

立場の決め方には2通りあります。「自分の正直な意見にのっとって立場を決める方法」と表現のしやすさを重視して立場を決める方法です。「表現のしやすさ」には「理由が簡単に思いつくこと」と「英語での説明がしやすいこと」が含まれます。できるだけミスを少なくして点数をとれる作文を書くには「表現のしやすさ」を優先して作文することをおすすめします。

また,POINTSには賛成,反対の両方の立場から使えるものもあれば,中にはどちらか一方の立場でしか考えにくいものもあります。上記のPOINTSで言うと,賛成の立場の作文のほうが書きやすいことがわかります。TOPICとPOINTSを見て,どちらの立場に立てば,自分の作文力で表現しやすいかという基準で,まずは立場を決め,作文してみるとよいでしょう。

もちろん自分の意見を英語で表現できることが最終的なゴールですが,英作文に慣れないうちは「表現のしやすさ」で立場を決め,慣れてきたら自分自身の正直な立場で書くのが現実的と言えます。

Main bodyとConclusionはこうやって書く!

Main Bodyを書く上でのポイント

Main Body(本論)では,POINTSから2つを選び,主張を裏付ける理由を述べます。それぞれ理由に対して補足の文を1~2文加えるとよいでしょう。準1級の目安の語数は120~150語と2級に比べて40~50語増えています。ただ理由を述べるだけでなく,「理由の根拠」,「具体例」,「その結果どうなるのか」など,丁寧に説明しましょう。

Conclusionを書く上でのポイント

Main Bodyで主張についての理由を述べたあと,最後にもう一度Conclusion(結論)として自分の立場を表明し文章を締めくくります。Conclusionは原則的にはIntroductionで述べた意見の再提示です。その中にMain bodyの内容を反映させることができればさらによいでしょう。

英作文を攻略して準1級合格を目指そう!

いかがでしたでしょうか。今回紹介した攻略法をもとにして勉強すれば,英作文に苦手意識のある人も対策が立てやすくなると思います。ぜひ,準1級合格を目指してがんばってください!

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