「いったん捨てたとして、 これを買い直すか?」 (買い直し思考)

メンタリストDaiGo『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2018.01.04
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 捨てるかどうか迷うモノ、なかなか捨てられないモノがあったら、いったんそれを捨てたと想像しましょう。その上で、「これを買い直すかどうか?」と自分に質問するのです。
 長い時間をかけてコレクションしたモノのように、捨てられないモノがたくさんある場合には、それらを全部まとめて処分したと考えてみましょう。そして、「このうち、買い直すのはどれか?」と自問するようにします。
 このように自問自答して「これは確実に買い直す」と言えるモノがあったとしたら、それは本当に大切なモノ、必要なモノだから残せばいいのです。
 ただ、実際にこの質問をしてみると、ほとんどのモノは買い直さないという結論が出ることが多く、結局、捨てられるようになるはずです。
 
 片づけのとき、「これを捨てるべきか、捨てざるべきか」と自分を問い詰めてしまうと、どうしても現状維持の法則が働いて捨てにくくなってしまいます。これが、「わかっていても捨てられない」理由です。
 買い直し思考は、いわば、思考をひっくり返すことによって、保有効果と損失回避から逃れる方法です。もう捨ててしまった、という前提で考えることで、捨てるかどうかの判断を抑制する。その上で、買い直すくらい大事なモノを選ぶわけです。
 私の場合は、買い直し思考を使って本をポンポン捨てられるようになりました。どんな本にも1つくらいはおもしろい部分、ためになる部分がありますから、どれを捨てるかと考えると、「どれも捨てがたい」と思ってしまいます。
 ところが、蔵書を全部捨てたと考えると、買い直したい本は科学書や古典などに限られることに気づきます。そうして、それ以外の本はどんどん処分できるようになったのです。
 私にとっての本のように、心から好きなモノであっても、買い直し思考を使えば捨てるべきモノは捨てられます。コレクションを整理したい、圧縮したいと考えている人は、「全部捨てた」と考えてみるのがオススメです。

クローゼットの前で「ここはお店だ」と考えてみる

 多くの人にとっては、買い直し思考が特に有効なのは衣類の片づけでしょう。クローゼットやタンスの中は、たいてい大量の衣服がぐちゃぐちゃに詰まっているものです。この中から「どれを捨てようか」と考えはじめたら、いつまでたっても捨てられないのは当然です。
 そこで、買い直し思考のちょっとした応用形を使います。
「ここはお店だ。服を売っているお店だ」と自分に5回くらい言い聞かせてください。それから、そこにある服のうち、自分が買いたいモノだけを選んでいくのです。これを試すと、劇的に衣類が減ります。
 もしも、ぐちゃぐちゃのクローゼットの中を見て、「どれも買いたくない」と思ったのなら、それはそれでOKです。今持っている服を全部処分して、本当にほしい服を買い直せば確実に半分以下にはなるでしょう。

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は1月11日掲載予定です。)

 

メンタリストDaiGo (めんたりすと・だいご)

慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。
趣味は1日10~20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、ジム通い。ビジネスや話術、さらには恋愛や子育てまで、幅広いジャンルにおいて人間心理をテーマに執筆した著作は累計200万部を突破。『一瞬でYESを引き出す心理戦略。』(ダイヤモンド社)、『自分を操る超集中力』(かんき出版)、『ポジティブ・チェンジ』(日本文芸社)などヒット作多数。

■メンタリストDaiGo オフィシャルウェブサイト
http://daigo.me/

■ニコニコチャンネル/メンタリストDaiGo の「心理分析してみた!」
http://ch.nicovideo.jp/mentalist

 

作品紹介

人生を思い通りに操る 片づけの心理法則

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