「結局、僕は運が悪いから、こうなってしまった」
「今年は運がよくないらしいから、○○するのはやめておこう」
「ここ最近、ずっとツイてない……」
日常のたわいもない会話の中で、よくこんな言葉が耳に入ってくることがある。
ホストの私に悩みを打ち明けてくださるお客様から、このような発言を聞くこともしばしばだ。
そんなとき、私の中で何かが引っかかってしまうのだ。
「うーん。ちょっと、待って!」と。
そして、こんなことを言う人たちにツッコミを入れたくなるのだ。
「それは、違うんじゃないの?」
まず、これらの発言のすべてに共通しているのは、「自分は運が悪い」と思い込んでいることだろう。
でも、本当に運が悪いのだろうか?
実際に、運から見放されているのだろうか?
私には、「運が悪い人間だ」と、自分で勝手に決めつけているだけのように見えるのだ。
確かに、私たちは日常生活を送る中で、望んでもいない出来事や想定外のアクシデント、困難に出会うことがある。
たとえば、入学試験や就職試験に落ちたり、彼女や彼氏に振られて失恋をしたり、大切な人との別れがあったり、家族や家庭の問題に悩まされたり、お金や人間関係のトラブルに遭遇したり……。
それまでどんなに真面目に生きてきたとしても、どんなに性格が素晴らしくても、不幸なイベントに直面してしまうことがあるものだ。
でも、どんな人だって、これまでに、運がいいと思える、上向きの日だってあったはずだ。
幸運と不運は、誰にも同じように降り注いでいる。
それなのに、「自分は運が悪い」と言っている人たちは、不運のほうばかりに意識が向いてしまっているのではないだろうか?
不運に見舞われたとき、運気が上向くのをただひたすら待っていても、そんなにすぐには現実は変わらないかもしれない。しかし、ここで、自暴自棄になり、投げやりな行動を取ると、状況はより望んでいないほうへ行ってしまう。
そうして、さらに「自分は運が悪い」と思い込み、負のスパイラルに陥っていくのだ。
そのころには、ただの“自称”運の悪い人だったはずの人も、“本当に”運の悪い人になってしまう。
そうなってしまったら、ちょっとやっかいだ。
運の悪い“体質”になると、体質改善をするのは簡単ではない。
(※この連載は、毎週火曜日・全8回掲載予定です。2回目の次回は10月17日掲載予定です。)
信長 (のぶなが)
新宿・歌舞伎町のホストクラブ「Club Romance(クラブロマンス)」代表取締役。ビジネス書作家、講演講師など多彩に活躍。1979年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。学生時代から家庭教師、塾講師の傍ら、ホストの道に入る。当初は体重90kg以上で女性とまともにコミュニケーションができず、指名もゼロが続いたが、入店4か月目で初めての指名を取ると、一気にナンバーワンとなる。その後、歌舞伎町の有名店「Club Romance」に移籍。現在まで通算28回ナンバーワンを獲得。著書に『歌舞伎町トップホストが教えるシャンパンタワー交渉術』(講談社)、『いい女はドMが9割』(カシオペア出版)、『歌舞伎町No.1 ホストが教える 選ばれる技術』(朝日新聞出版)、『成功は「気にしない人」だけが手に入れる』(秀和システム)、『斎藤一人 人間力』(信長出版)があり、中国、台湾でも翻訳出版されている。テレビ、ラジオの番組、雑誌にも多数登場。 趣味は1人旅。
■公式サイト http://www.r-nobunaga.com/
■Facebook https://www.facebook.com/nobunaga123
■ブログ https://ameblo.jp/r-nobunaga/
作品紹介
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