「すでに成功を収めた人たち」を対象にする

森若幸次郎『ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2016.04.14
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 なぜ、私がハーバードのPLDで学ぼうと思ったのか。これは、MBAよりも高いレベルの教育を、しかも短期間で身につけられると考えたからです。
 では、なぜPLDのレベルが高いのかというと、それはハーバードの緻密なブランド戦略と深く関係しています。

 ここで、ハーバードビジネススクールのMBAとPLDを比較しつつ、ハーバードPLDの特殊性について考えてみたいと思います。
 まず、MBAの場合は、入学するためにGMAT(Graduate Management Admission Test)というテストをクリアする必要があります。
 入学者の平均年齢は25歳~32歳。通常、2年間のプログラムで経営の知識を学びます。仕事をしながらMBA取得に向けた学びと両立しようとすると、3年~4年近くかかることも珍しくありません。現実的には、休職や転職期間を利用して学ぶ人が多いと
いえそうです。
 このMBAに対して、ハーバードのPLDが決定的に異なっているのは、“すでに一定の成功を収めた人たち”が対象であるというところです。
 前述したように、ハーバードビジネススクールのホームページでは、「世界の約束されたマネージャークラスを、次世代のパワフルリーダーにするためのコースがPLDである」と表現しています。
 つまり、将来的に「経営者になりたい」という夢を持っている若者が学ぶ場所ではなく、すでに経営者として実績を残している人や、大企業で次世代の経営者となるだろうと確実視されている人物が集まっているということです。
「約束された経営者」であるので、42歳~50歳くらいまでと、平均年齢はやや高め。基本的に入学対象となるのは、「企業の歳入が約90億円以上で、10年から15年のプロフェッショナルとしての実務経験があり、将来リーダーになる見込みの高い者」と、
ホームページでも明確に記されています。
 また、ハーバードでは、PLDは他大学のエグゼクティブMBAとはまったく別物であるとうたっています。リーダーシップに特化しているのはハーバードだけ、非常に高度なプログラムである……。
 徹底的なブランディングを図った結果、本当に世界的なエグゼクティブが集まるようになり、さらに卒業生たちが世界中の企業のトップになることで、そのブランド価値を不動のものにしているのです。

 

森若幸次郎 (もりわか こうじろう)

株式会社シリコンバレーベンチャーズ 代表取締役社長CEO
株式会社モリワカ 専務取締役CIO
実業家・イノベーションプロバイダー。
ハーバードビジネススクール/エグゼクティブMBA(PLD:Program for Leadership Development)を日本人最年少で修了し、スタンフォード大学経営大学院でM&A、シドニー大学で経営学を学ぶ。現在、国内外の企業20社以上の経営に従事。米国シリコンバレー、デンマーク、アジア諸国を中心に宇宙・医療・教育・芸術産業の活性化を推進し、各地でイノベーション創出を目的としたワークショップやリーダーシップセミナー等を開催している。

 

作品紹介

ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?

ハーバードビジネススクールの頂点「エグゼクティブMBA」の日本人・最年少修了者が「超一流のマインドセット」を大公開!
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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