なぜ、人に親切にすることが大切なのでしょうか?
親切にしないと罰を与えられるから。親切にするのは社会のルールだから……。そんな理由を考える前に、そもそも親切にしたほうが気持ちよくないでしょうか?
親切は強制されるものではありません。親切にしたほうが気分がよいため、人は親切さを発揮するのです。親切さの人格を磨いている人は、自分の心に正直に振る舞いながら、その価値を自分のものにしているのです。
もちろん、親切にしても裏切られることはあるでしょう。でもそれはあくまで相手の問題です。いじわるな人は、「親切でいると気持ちがいい」という体験をしてこなかったのかもしれません。
人は、人として親切にするほうが気分がよいという心の仕組みを生まれつき持っています。親切な人は、ただただこの仕組みにしたがって生きている人なのです。
自分のために親切に生きていると、その人の周りには笑顔や幸せが増えていくことになります。
最終的には、親切さが家庭や世界を平和に導くのです。
親切に生きることを否定する理由は、どこにもないはずです。
『自助論』とは?
1858 年に刊行されたサミュエル・スマイルズの代表的著作。
原題は「Self Help」。政治家、実業家、科学者、芸術家など300人を超える成功者の逸話や発言を題材に、苦難に立ち向かい、自らの手で道を切り開くことの大切さを説く。日本では一般に『自助論』として知られる。刊行後、世界各国で翻訳されベストセラーとなる。日本では、福沢諭吉の『学問のすゝめ』と並び明治期の青年層に愛読され、近代日本の形成に大きな影響を与えた。
辻 秀一 (つじ しゅういち)
スポーツドクター。株式会社エミネクロス代表。慶應義塾大学病院内科、同スポーツ医学研究センターを経て独立、現在に至る。応用スポーツ心理学とフロー理論を基にしたメンタル・トレーニングによるパフォーマンス向上が専門。セミナー・講演活動は年間200回以上。年に数回の「人間力ワークショップ」は、経営者、アスリート、音楽家、主婦、OL、教員など、日本はもとより海外からの参加者もいるほど人気を博している。 著書に35万部突破のベストセラー『スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル)、『禅脳思考』(フォレスト出版)、『自分を「ごきげん」にする方法』(サンマーク出版)ほか多数。
作品紹介
自分を敬え。超訳・自助論
内向型の人が自分らしく生きるための本
刊行から150余年。起業家、芸術家、アスリート…全世界の挑戦者たちを刺激し続ける不朽の名作「自助論」の精神をここに凝縮!
定価:本体1,400円+税/学研プラス