久しぶりのクラス会に、一番乗りでお店に到着したあなた。
しばらくしてやってきたのは、当時から無口だったあのAさんです。
うわ、参ったな……。2人きりで何を話していいのか分からない。
とりあえず「久しぶり……」と言ってはみたものの、後に続く会話が見つからない。
頼む、誰でもいいから早く到着してくれぇ……(心の声)。
こんな困った経験は、誰もが一度や二度ではないはずです。
コミュニケーションには「きっかけ」が必ず存在しています。
このきっかけは、パソコンにたとえると、起動ボタンに当たります。
このボタンを押さなければ、OSは起動しません。
もちろん、ソフトが立ち上がることもありません。
つまり、コミュニケーションは始まらず、人間関係が作られることはないのです。
起動ボタンを押さない限り、どんな作業を行うこともできず、いかなる結果も成果も得ることはできません。
話しかけるきっかけがなかったばかりに、友だちになれなかった人は、数えきれないほどいたに違いありません。その中の誰かが、もしかしたら今のあなたの人生を変えるような役割を担っていたかもしれません。
きっかけを失ったまま、まぁいいかと、あなたの目の前を流れていった出来事の中に、かけがえのないチャンスが隠れていたかもしれません。
先の例のAさんだって、現在のあなたのビジネスの強力な理解者になってくれたかもしれないのです。もしもあなたが、自分から話しかけていさえすれば……。
どんな会話も、どんな人間関係も、縁も、絆も、信頼関係も、愛や成功も、すべてが、たったひと言の「きっかけ」となるフレーズから始まるのです。
すべては、この「きっかけ」というボタンを、勇気を持って押すかどうか……。
少しばかり勇気が必要なボタンだけれど、1日ひとつだけでも押すことができれば、あなたの人生をちょっとだけ、変えることができるのではないか……。
次回から、そんな「きっかけ」となるフレーズをご紹介していきます!
夏川 立也 (なつかわ たつや)
1990年、京都大学工学部卒業。 大学在学中に落語家の桂三枝(現在の六代目桂分枝)師匠に弟子入り。 卒業後は吉本興業の芸人としてテレビ・ラジオ・舞台・映画等で活躍。同時に、新聞や各種雑誌への執筆活動も積極的に行う。 芸能活動を行うかたわら91年に自ら会社を設立、以来、経営者として経済活動、社会貢献活動に携わっている。 コミュニケーションにおいて「空気」が果たす役割に注目し、「パワー・コミュニケーション」プログラムを開発。相手にプラスの感情の変化を与える働きかけを仕組み化し、講演・研修活動を実施中。年間200件を超えるオファーに応え、日本全国を飛び回っている。 著書に『スベらない話し方』(かんき出版)、『パワー・コミュニケーション』(中央経済社)他がある。 ■ホームページ http://www.t-natsukawa.net/
作品紹介
初対面の人、偉い人、苦手な人…。どんな人とでも話のきっかけになって会話がトントン進む、「きっかけ」フレーズが100連発!
定価:本体1,400円+税/学研プラス