人に嫌われたらいけないと、ビクビク怯えている人は本当に多い。
特に昨今は、第一印象の重要性が折に触れて強調されるため、皆「いかにして初対面で嫌われないようにするか」に細心の注意を払っている。
私の書斎にやってくる取材者、編集者たちでも、緊張のあまり顔が引きつっている人もいるし、何を話しに来たか全部忘れてしまう人までいる。
「一生懸命なんだな」「一杯いっぱいになっているな」と微笑ましく思うものの、少しは肩の力を抜かないと仕事に支障が出てしまわないかと心配になる。
あなたも、「嫌われたら、もう後がない」と緊張している一人かもしれない。
そんなあなたに、アドバイスがある。
「嫌われたら、後がない。」ではなく、
「嫌われたら、後がある。」と考えることだ。
何を隠そう、私自身も第一印象が滅法悪い。
大半の女性からは「強引」「ズケズケと物を言う」「ふてぶてしい」と苦手意識を持たれるし、繊細な男性からは、ほぼ全員に引かれる。
それでも、これまで人並みに女性とは交際させてもらったし、繊細な心の男性の友人にも囲まれてきた。
同様に、仕事においても、そうした人々といい関係を続けられているように思う。
それは「嫌われたら、後がある。」という事実を知っているからだ。
人間関係では、理不尽に嫌われてしまうようなことがしばしば起こる。
だが、わざと嫌われているわけでもないのだから、放っておくしかない。
その代わり、目の前にいる人を世界一大切に想って、誠実に接する。
別れたあとで「第一印象ほど悪くない」と思ってもらえれば、私の勝ちだ。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
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■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
たった2分で、勇気を取り戻す本。
君の人間関係を好転させる63の“小さな一歩”
人間関係を好転させるには、屈強な勇者になる必要はない。臆病な勇者になればいい。20代のカリスマ・千田琢哉の63の勇気術。
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