仕事が速い人は 目的のためには手段を選ばない 仕事が遅い人は 「抜けがけはけしからん」と考える
午堂登紀雄『仕事が速いお金持ち 仕事が遅い貧乏人』セレクション
仕事が速い人は、目的を達成するためには手段を選びません。
こう言うと、なんとなくダークな響きがあるのですが、もちろん非合法なことをしろということではありません。
この真意は、「目的達成のためにはすべてが選択肢」ということ。「こういうものだ」「それは無理だ」「それは非常識だ」という前提条件を外し、聖域やタブーすら設けず、あらゆる可能性を模索するということです。
ここで、仕事が速い人と遅い人を見分けるクイズをご紹介します。次の迷路がどのくらい速く解けるかです。今すぐ時間を計りながら解いてみてください。
どのくらいの時間がかかったでしょうか。
10秒くらいかかったとしたら、仕事が遅い人の可能性があります。仕事が速い人はこの迷路を1秒以内で解けます。答えは次ページを見てください。
怒らないでください(笑)。
これが何を意味しているかと言うと、方法に関しては何も指示されていないにもかかわらず、私たちの多くはつい常識的で陳腐な発想をしてしまうものだということです。
目的は「速く解く」ことであり、迷路の外側から解くことが禁止されているわけではありません。つまりスピードを最優先し、思い込みや常識、タブーを外すと、このような方法も思いつくということです。
●結果を出したいなら「目的」を強く意識しろ
昨今、不倫問題で政治家が辞任する、政治への出馬を断念する、というニュースが世間を騒がせましたが、これも発想が似ています。
合理的な人間は「政治家には政治能力を問えばいいだけで、プライベートの問題と政策立案・運営能力とは別だ」と考えます。
しかし三流の人間は感情にまかせて「そんな不道徳な人間は政治家にふさわしくない、辞めるべきだ」と、本来求める目的とは関係のないところに反応します。
プライベートではけしからんとしても、それは国民には何の関係も影響もありません。仮にその議員が不倫しようとしていまいと、私たちにメリットもデメリットもないでしょう。
そもそも政治家として信任された、あるいは日本の諸制度を変えてくれるかもと期待されたほどの人たちだから、単純に辞めさせるのはもったいない。
そこでたとえば、議員報酬を削減し公費もカットし、ハードルの高い公約を掲げさせて続投させるという方法もあります。
これなら能力のある人材をバーゲンプライスで使えるのだから、国民にとっても利益となるはずです。
これは極端な例かもしれませんが、目的の達成ただ一点にフォーカスし、いったん自分が思い込んでいる道徳心や感情を排し、あらゆる選択肢の中から合理的に考える習慣を持ちたいものです。
午堂 登紀雄 (ごどう ときお)
1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。
作品紹介
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定価:1,300円+税/学研プラス
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