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あらかじめ親が注意してあげても、子どもって、失敗しますよね。
「あれほど注意したのに」とか「だから言ったじゃない」と責めてしまいます。
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☆ 失敗から学べることはいっぱいある。
たとえば子どもが転んだとき…だからさっき走るなと言ったのに! 朝寝坊したとき…だから早く寝なさいって言ったのに!
私も子どもに対して何度「だから言ったじゃない!」という言葉を浴びせてしまったことか、わかりません。
でもあるとき、転んで泣く娘に、夫が「だから言ったじゃないか!」と言っているのを聞いて心が痛みました。
転んで痛くて泣いていて…。自分が失敗したことにショックを受けているのに、言葉で追い打ちをかけているよう。まさに「泣きっ面に蜂」状態です。日頃の自分の言葉を棚にあげて「かわいそうだからなぐさめてあげてよ!」と夫を責めてしまいました。
失敗して落ち込んでいるとき「だから言ったじゃない」なんて言われたら「言われなくたって、次からは失敗しないよう考えるよ」と言い返したくなります。
そうなんです。周囲がわざわざ責めなくても、失敗した事実から大人も子どもも「次はどうしたらいいか」考え、学ぶのです。
「だから言ったじゃない」と言われると、せっかく失敗から学んだことが飛んでしまいます。「ママに言われた通りにすれば良かった」だけが残り、失敗しないためにどうしたらいいのかを自分の頭で考えることができなくなります。
あるお母さんが「子どもが失敗したときは、人に思いやりを示す方法を教えるチャンスなのよ」と教えてくれました。
お友だちが失敗したとき「言わんこっちゃない」「だから言ったじゃない」「自業自得」なんて冷たい言葉を言うことのないように、ママが思いやりのお手本を見せてあげたい、と思うのです。
だまって見守ったり、「転んで痛かったね」と気持ちに寄り添ってあげたりするだけで、いいのです。
曽田 照子 (そだ てるこ)
千葉県出身、東洋大学文学部卒業。広告制作プロダクションでコピーライター経験後、フリーライターとして独立。現在は3人の娘の子育て経験を生かした書籍を執筆している。著書に「お母さん、ガミガミ言わないで! 子どもが勉強のやる気をなくす55の言葉」(学研パブリッシング)、「『お母さんの愛情不足が原因』と言われたときに読む本」(中経出版)などがある。
速水 えり (そだ てるこはやみ えり)
かわいいイラスト、ハウツーもののイラスト、子ども向けのイラストなどを中心に創作。男女3人の子育ての日々をコマ漫画にしたりと、子育てをエンジョイ中。
作品紹介
つい、わが子に言ってしまうキツイ一言…。へっちゃらなようで子供はしっかりヘコんでます。そんな時の「いい方法」を教えます!
定価:本体1,300円+税/学研プラス