そこは、ヨーロッパ風の高い屋根と横巾が広い五段くらいの階段がある、古代ローマの大神殿のような、古い造りのとても大きな建物でした。
私がその建物に向かって歩いていくと、自動的に入口の扉が開きました。
入ってみると、数十メートルもあるかのような高い天井、そして白くて太い円柱が建ち並び、一度に大勢の人たちを収容できるような広い空間が広がっていました。
そこには、数万人とも思えるほど大勢の人たちが、たくさん列をなして並んでいて、立ったままで何かの順番を待っているようでした。
待っている人たちは、老若男女を問わず、国際色豊かで、しくしく泣いている人もいれば、楽しそうに笑っている人、中には踊っているような人もいて、まさに千差万別の様子です。
最前列の方を見ると、一番前に長方形のテーブルが置かれていて、そのテーブルを挟んだ反対側には、審査をしているような人がそれぞれのテーブルごとに2、3人座っています。
一見すると、選挙の投票にきた人たちが投票箱の前で順番待ちをしているような光景のようです。
審査役の人たちは、目の前のテーブルの上に置かれている膨大な数の書類に一つひとつ丁寧に目を通していました。
「何を見ているのだろう?」と斜め上の方から書類に目をやると、そこには、列をなしている人たち一人ひとりの、生前行ってきたすべての行い(業)と心の変遷が克明に記されていました。
いうなれば、死後、肉体を離れて再び霊界に帰ってきた人たちの「人生の総決算」が示されていたのです。
まるで「魂の履歴書」(前世のカルテ)でもあるかのようなその書類に、一枚一枚目を通している審査役の人たちは、ある程度心の浄化が進んだスピリットのランクが高い魂たちで、彼らは、霊界に行ってから、選ばれてその役割に就いているようです。
室内には、たくさんの数のテーブルがずらーっと並んでいて、正面から見て左のテーブルに行くほど審査役の人もまた審査を受ける側の人も、心のランクが一段と高くなっています。
それぞれのテーブルの審査役は、順番に書類に目を通しながら、一人ひとりの「人生の総決算」の結果に応じて、次の新たな「転生のプログラム案」を示し、その書類に印を押したうえで、左隣のテーブルの審査役に順番に手渡していきます。
審査役は、どの人も自分よりも上のランク(左側)にいる審査役に対して心から敬意を表している様子から、どれだけ心が磨かれ、きれいになっているかが、霊界における唯一の基準になっていることがよくわかります。
このような霊界の光景、転生の仕組みを私が見せてもらったのは、ある知人から、「どうしても亡き夫があの世でどうなっているかを知りたいので教えてほしい」と懇願され、神様にその真実を見せてもらうようにお願いしたからです。
木村 藤子 (きむら ふじこ)
1947年、青森県出身。地元で有名だった霊能者の母のもとに生まれる。
高校卒業後、信用組合につとめるが、30代の時に神の声を聞き、霊視・透視能力を授かる。
1990年、青森県むつ市内のデパートで開催された爬虫類ショーのニシキヘビが逃げた際、ヘビの居場所と見つかる時間を正確に透視。このヘビ騒動が全国に報道されたことから、「ヘビの神様」「青森の神様」と呼ばれ、一躍有名に。現在、霊能者として日々多くの人の悩み相談に応じている(一男一女の母親でもある)。
著書に『「気づき」の幸せ』『あなたを変える「気づき」』『幸せをつかむ 気づき暦』(以上、小学館)『幸せの絆』『幸せの風が吹いてくる』『幸せの詩が聞こえる』『神様が伝えたいこと』『母であるあなたに気づいてほしいこと』『気づく力』『新・気づく力』『木村藤子神様の言魂カード』『「本当の自分」に気づく本』(以上、主婦と生活社)『幸せを呼び寄せる30の「気づき」』『すべての縁を良縁に変える51の「気づき」』『幸せの「気づき」相談』(以上、新潮社)『子育ての気づき〜母親編〜』(竹書房)『すべての「別れ」は幸せのためにある』(KADOKAWA)『幸せになるための「気づき」の法則』『神様に愛される生き方・考え方』『幸せになる人の心がけ・心がまえ』『あなたが、ここに生まれてきた理由』『魂のシナリオどおりに生きていますか?』『この出会いは魂が選んだこと』(以上、学研)などがある。
作品紹介
人は死後、あの世でどのように裁かれ、生まれ変わるのか。“青森の神様”木村藤子が初めて明かす、生まれ変わりの真実!
定価:1,200円+税/学研プラス