小さなお部屋に入って、
ふわふわのクッションに腰をおろすと

まるで魔法にかけられたように
どうしようもない気持ちが
あふれ出してきた

「もう、どうしたらいいのかわからないんです」

そんなわたしに、先生はほほえんで、こう言った

「そんなときは、
　何もしなくて、　　　　
　だいじょうぶ」

へっ？

わたしは、拍子抜けしてしまった

だって、もっと

「こうしなさい」とか
「こうしたほうがいいよ」って

言ってもらえると思っていたから……

驚いた様子のわたしに、先生はゆっくりと続けた

「なぜなら、いま、あなたの中で、
“魔法の種”が、花ひらいているから」

「魔法の種が花ひらくと、
　そこから素敵なパワーがあふれだし

　どうしたらいいのかわからないような問題も
　あっという間に、解決されちゃいます！

　だから、“なんとかしなくちゃ！”って
　がんばらなくても、だいじょうぶ

　魔法の種のパワーに任せておけば
　すべてがうまくいくのですから！」

わたしは、信じられないような気持ちだった

だって、このモヤモヤから抜け出すためには、
わたしがなんとかしなくちゃ！

ずっと、そう思っていたから……

そのままでいいなんて、
ほんとうなの？

そんなわたしに、先生は優しくこう言った

「だいじょうぶ

“そのままのあなた”でいるだけで、

  魔法の種は、どんどん花ひらいていくから」