運命は、あなたの夢が叶う瞬間を、もうすでに決めています。
ただ、たいていの場合“そのとき”というのは、わたしたちが思っているようなときではなく、思ってもみないときであることがほとんどです。
ですから“そのとき”だとあなたが思ったタイミングに夢が叶わなかったとしても、もう夢が叶わないというわけではありません。きっと、運命が決めた“そのとき”ではなかったというだけのことなのです。
運命は、もしかしたら、そのもうちょっと先に、あなたの夢が叶ってしまう“そのとき”を用意しているのかもしれません。
それなのに、わたしたちは、ついつい自分が“そのとき”だと思ったときに夢が叶ってくれないと、“もう絶対に叶わない”のだとカンチガイして、ひどく落ち込むことがあります。
そうして、今まで愛するもののためにつづけてきた努力のすべてはムダだったとか、意味がなかったなんて思ってしまい、そんな努力をつづけるのはもうやめようと、すべてを捨ててしまいたくなるときがあるものです。
そんなときは——
「どうぞすきにしてください」
——というのが運命のこたえです。
え?つめたい?いいえ、そうではありません。
運命には自信があるのです。たとえ、あなたがいやになって一度はすべてを捨ててしまおうとも、結局、また愛するもののところに戻らざるをえないと。
そして、そのために努力をはじめてしまうのだと。
それが愛情というものがもつ、まほうなのだと。
そのまほうにかけられて、自分の思ったときにそうならないことを何度も何度もくりかえし受けいれながら、運命が決めた“そのとき”まで努力をつづけていくこと。それが準備という“人生の線”の上——いいえ、もうここまできたら、こう呼んでしまってもいいでしょう——“愛するという道程”を歩み、夢が叶うひとつの“点”に辿りつくということなのです。
それは、夢が叶わなかったときの一時的な悲しみを、『それも必要なこと』として受けいれ、希望を見つめつづけるということであるのかもしれません。
そのときの鍵は、やはり『運命を信じること』にあると思うのです。
つまり人生とは、誰かや何かを愛することで、自分自身を超えていくための場所と言えるのかもしれません。自分自身の考えが及ぶその先で、わたしたちはほんとうの満足や幸福に出逢えるのかもしれません。
それは、この命の小ささと無力さを受けいれ、運命という大きな自然のながれに抱かれるということではないかと思うのです。
そして、あなただけの場所に運ばれて、そこであなたにしかできないことをして、この世界における希望のひとつでありつづける——そう、運命の夢を叶えるということの本質は、自分のためであると同時に、誰かのために生きる道を選ぶということです。
あなたにも、きっと、この世界のどこかに、あなただけの輝きを発揮できる場所が用意されている——それはもしかしたら、今のあなたが思ってもみない場所であるかもしれません。でも運命の夢は、まさにその場所を、あなたに示してくれているのです。
上原 愛加 (うえはら あいか)
エッセイスト。著書は100万部を超えるベストセラーシリーズとなり、その生き方は様々な世代の女性から絶大な支持を得ている。
■オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/funwari-maroyaka/
作品紹介
運命の夢はかならず、叶う
ときめきの風に運ばれて、ここからすべてがうまくいく!
「自然の力」に委ねると奇跡が起こる。すべての女性が「夢は絶対に叶うと決まっている」ことを信じて歩むための生き方指南本。
定価:本体1,300円+税/学研プラス