運命の夢とは、運命が(あなたを超えた大きなものが)あなたに叶えてもらうために用意した夢のことであり、その夢は、あなたがそこに向かってまっすぐに歩むことさえできれば、かならず、叶うと決まっている夢でもあるのです。
もしも、わたしたちの心が愛を感じとり、それに惹かれるようにできていなければ、わたしたちは悩むことも、迷うことも、苦しむこともない世界の中で楽に生きていられたのかもしれません。
でも、ここにあるわたしたちの心は、愛を感じとり、そこに惹かれるようにできています。身のまわりにあるひとつひとつのものから、自分に起こるひとつひとつの出来事から、そして自分が出逢うひとりひとりの人から。
そして惹かれれば——それに愛情を感じれば、そのために悩み、迷い、苦しまなくてはいけなくなる。そのことを、きっと、どこかで知りながら——
「覚悟のうえで進むのみ!」
——ですって! なんと勇敢なのでしょう。わたしたちの心は、もしかしたら愛するものに出逢ったその瞬間に覚悟を決めてしまうのかもしれません。
その道の先にあるのは、たのしいことばかりではないかもしれない、いつもにこにこなんて、していられなくなるかもしれないのに!
今の彼女の姿からは、そんなことがあったなんて想像もできませんが、もしかしたらまわりのみんなから「そんなの、やめときなよ!」と大反対を受けたかもしれません。
だから、彼女は、うんと悩み、迷い、苦しんだのです。
「どーしてもそれがいい! 絶対にそれがいい!」
と、彼女の心がそう言って聞かなかったものですから、それを信じてあげなくちゃ、と思ったのでしょう。
なぜなら、何かに心惹かれるきもちは自分のものではなく、自分を超えた何か大きなものがはたらいて“そうなっている”ものだからです。
それを、「自分の頭がダメだと言うから」「なんの得にもならないから」「お母さんがやめておきなさいって言うから」なんて、そんな理由でなかったことにしていいの?
いいえ、それだけは、いけません。もう一度、言います——だって、そのきもちは、あなたを超えているのだから。
そう、だからこそ、愛するものに向かって努力をつづけていくことで、わたしたちは自分自身を超えていけるのです。
わたしたちは『どうしても』の度合いが最も強いそれに“夢”という名前をつけて呼ぶのでしょう。
それならば、あなたの夢は——
「運命からのギフト」
それなら、たいせつにしないといけません。誰かが「たいせつにしない」という態度をとったって、あなただけは、たいせつにしてあげないといけません。
それは簡単なことではないかもしれません。どうしたって“一気に!”とはいかないものかもしれません。だってそれは今のあなた自身から、うんとはなれたところにあるものなのだから。
だけど、すこしずつ——一歩ずつなら、それに向かって進んでいけるのではないかと思うのです。悩んだり、迷ったり、苦しんだり、ということは、きっとたくさんあるけれど、それでもそのようにすることで、『たしかに進んでいる』ということを忘れなければ。
そしてもうひとつ、このことを忘れないでいられたら。
今、叶わなくても、永遠に叶わないのではなく、
“今はそのときではない”というだけのこと。
上原 愛加 (うえはら あいか)
エッセイスト。著書は100万部を超えるベストセラーシリーズとなり、その生き方は様々な世代の女性から絶大な支持を得ている。
■オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/funwari-maroyaka/
作品紹介
運命の夢はかならず、叶う
ときめきの風に運ばれて、ここからすべてがうまくいく!
「自然の力」に委ねると奇跡が起こる。すべての女性が「夢は絶対に叶うと決まっている」ことを信じて歩むための生き方指南本。
定価:本体1,300円+税/学研プラス