300万の人は真正面から取り組むが 1億の人は目的のために手段を選ばない
午堂登紀雄『年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人 』セレクション
夏の炎天下に田舎道を歩いていて、杖をついた老人とすれ違った。その時老人から、「コンビニはどこにあるかね?」と聞かれたとしよう。
コンビニは2キロ以上先だ。足の悪そうな老人にはちょっときつい。
この時、あなたはどう答えるだろうか?
これは私がある経営者の知人から出されたクイズだ。
正解は、「なぜコンビニに行きたいのですか?」だそうだ。
もしかしたら老人は、水を飲みたいだけなのかもしれない。トイレに行きたいだけなのかもしれない。自分が水を持っていれば、それをあげることもできる。自分の家が近くなら、トイレを貸すこともできる。
つまり、本当の目的は何かを突き止め、その達成のためにあらゆる手段を選択肢として考えるべきだ、というのが彼の主張だった。
⇒手段はいくらでもある
ビジネスでも同じ。
たとえばベトナムに商品を輸出したければ、当然だがベトナムに商品を送るだろう。そこで、よりコストダウンするためにどうするだろうか。
輸送コストの安い業者を探すのが300万の人だ。
1億の人はどうするか。私の友人の経営者は、カンボジアに輸出している。ベトナムに直接輸出するのではなく、いったんカンボジアに入れて、陸路でベトナムに運ぶほうがトータルの関税が安く、2割のコストダウンになったそうだ。
要するにベトナムに商品が届けばいいのだから、ルートは自由。その中で最も安い方法は何かを考えたのだ。
DMマーケティングをしている私の知人も、コストダウンに向けておもしろい方法をとっている。毎月何千通もダイレクトメールを発送しているので、当然ながら配送コストは莫大にかかる。しかし彼は、圧倒的に安いコストで郵送している。
その仕組みはこうだ。
切手は、ゆうメールやゆうパックなど、日本郵便のサービスの支払いに充当することができる。そこで彼は、金券買取業者から、売れ残った記念切手などの在庫を、市場価格よりもはるかに安く買った。その切手をDMのゆうメールの代金として使い、大幅にコスト削減を図っているのだ。
目的のために手段を選ばないというと、なんとなくダークな響きがある。しかしこれを言い換えると、「目的を達成するためなら、あらゆる方法が選択肢になる」ということだ。
午堂 登紀雄 (ごどう ときお)
1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。
作品紹介
年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人
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