「ライフスタイル」とは何か

中野 明『超図解 アドラー心理学の「幸せ」が1時間でわかる本』セレクション

更新日 2020.09.18
公開日 2016.07.21
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 アドラー心理学では、人はだいたい10歳くらいまでに人生の根本的な目的を立てるようになると考えています。そして、この根本的な目的に従って人生に意味づけをして、その人独自の生きる態度を形成します。
 この独自の生きる態度のことを「ライフスタイル」と呼びます。
 ライフスタイルは、単にその人がもつ根本的な目的のみを指すのではありません。目的や目標、さらにそれらを達成するための態度も含めた、より大きな概念であることに注意が必要です。
 先に、目的や目標には、適切なものと不適切なものがあると述べました。適切な目的からは適切なライフスタイルが生まれ、不適切な目的からは不適切なライフスタイルが生まれるということです。では、いったんライフスタイルが形成されてしまうと、一生涯固定したものになるのでしょうか。いえ、決してそうではありません。
 たとえば、地球の子午線は人間が作り出した虚構です。現実には存在しません。しかし虚構ではあっても、現在地を知るのにとても役立ちます。ライフスタイルもその人が作り出した一種の虚構です。この虚構が適切なものだとしたら、ライフスタイルは子午線と同様、その人の生き方の指針として役立つものになります。

 また、仮に不適切なライフスタイルであっても、作り替えることができます。何しろあらゆる虚構は、そもそも人間が作り出したものです。だから作り替えることが可能です。
 もちろんライフスタイルも同じです。アドラーは言います。

 われわれが直せるのは、彼の具体的目標だけである。目標が変われば、精神的な習慣や態度も変わるであろう。もはや古い習慣や態度は不要になり、彼の新しい目標に適した新しいものが古いものにとって代わるであろう。
(アドラー『人生の意味の心理学』)

 人がもつ根本的な目的を理解して、不適切ならそれに気づかせて改善することが欠かせません。また、目的へのアプローチ手法に問題があるのならば、それに気づかせて適切な手法を選択するよう背中を押す必要があります。
 このように人がもつ不適切な目的や目標に気づかせ、それを適切なものに変える手伝いをするのがアドラー心理学です

次回に続きます。

 

中野 明 (なかの あきら)

ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。同志社大学非常勤講師。「情報通信」「経済経営」「歴史民俗」の3分野をテーマに執筆活動を展開。

著書は『超図解 勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本』『超図解 7つの習慣 基本と活用法が1時間でわかる本』『一番やさしい ピケティ「超」入門』『超図解「デザイン思考」でゼロから1をつくり出す』『超図解 アドラー心理学の「幸せ」が1時間でわかる本』(学研プラス)ほか多数。

 

作品紹介

超図解 アドラー心理学の「幸せ」が1時間でわかる本

フロイト、ユングと並ぶ心理学の巨人、アルフレッド・アドラーが説く「幸せ」の要点を、短時間で一気に理解できる超図解本。
定価:本体1,200円+税/学研プラス

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