◎プラスの言葉で返事をすることから始めよう◎
会話はよく、キャッチボールにたとえられます。
相手の話を聞いて、「そうなんだね」と共感したり、「その通りだね」と同調したり、途中で「あなたはどう思う?」と質問したりして続いていくからです。
ここで、言葉のエネルギーを活用するために覚えておいてほしいことがあります。
それは、誰との会話でも「会話の方向は自分自身が決めていい」ということです。
たとえば、会社の同僚たちと映画の話題で盛り上がっていたとしましょう。
一人が、「先週、久しぶりに映画館で映画を観たけど、つまらなくて、途中で寝てしまったよ」と言ったとしたら、どのように返しますか?
「そうなんだ。具体的には、どのシーンがつまらなかったの?」と聞けば、「ストーリーがダメだ」というふうに、話はマイナスの方向に進むでしょう。
逆に、「それは残念。ところで、あなたがこれまで観た映画の中で面白かったのは何?」と聞けば、「学生時代に見たアメリカの映画が抜群だったねえ」というふうに、話はプラスの方向に進むはずです。
心をきれいに保つためには、会話の内容はポジティブであるほうが望ましいので、会話をプラスの方向へ導くように、自分から率先して働きかけることが重要になってきます。
自分自身がポジティブな発言を心がけるのはもちろん、誰かがネガティブな発言をしたとしたら、ポジティブな返事をし、マイナスの方向に話題が傾かないように注意を払うといいのです。
「私は口ベタだから、会話の中心になるのは無理」と言う人もいるでしょう。そういう人は、家族や親しい仲間たちと会話する時に、練習するといいと思います。
あるいは、最初に「今日は楽しい話をしようね」と言うだけでもかまいません。皆の意識が「楽しい」に向くので、おのずとプラスの会話で盛り上がるでしょう。
うえにし あきら
東京都出身。著述家。 学習院大学卒業後、資生堂に勤務。 独立後、人生論の研究に従事。 独自の「成心学」理論を確立し、人々を元気づける著述活動を開始。 1995年、「産業カウンセラー」(労働大臣認定資格)を取得。 主な著書に、『折れない心をつくるたった1つの習慣』(青春出版社)、『平常心のコツ』(自由国民社)、『「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉』(三笠書房)など。
作品紹介
心のそうじ
心配事と不安が消える88の言葉内向型の人が自分らしく生きるための本
人生はシンプルになるほど生きやすい! 人気カウンセラー・植西聰による、心配事や不安が消えて穏やかに生きるためのエッセイ集。
定価:本体1,200円+税/学研プラス