悩みがあるから、喜びがある。不安があるから、幸せを味わえる
和田秀樹『仕事・お金・人間関係 「あ~、困った!」と思ったら読む本』セレクション
心が折れそうになったら、これまでの人生でうれしかったこと、喜びだと感じたことを思い出してみる。それだけでも救いになるはずです。
不合格だったらもう1年浪人だ、という不安と戦いながらの受験勉強。合格だとわかり、ホッとして喜びをかみしめたことを思い出してみましょう。ライバル社とのコンペに敗れたらどうしよう、と不安にさらされながら、なんとか契約を勝ち取ることができた瞬間。
上司とハイタッチして喜んだ、あの感動を思い出すのです。
仕事でも、プライベートでも、大きな不安を乗り越えたときほど、大きな喜びを味わったことに気づくでしょう。
悩みがあるから、喜びがある。不安があるから、幸せを味わえる。つまり、不安や悩みは喜びの前ぶれだと言うこともできます。
悩みや不安がなかったら、人生はもっとのっぺらぼうで起伏がなく、心が折れそうになることもない代わりに、感動にふるえることもないでしょう。
私なら、そんな人生はつまらないと思います。
和田 秀樹 (わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。精神科医・教育評論家。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学等を専門とする。受験アドバイザーとしても精力的に活動し、志望校別勉強法の通信教育・緑鐵受験指導ゼミナールを主宰。東京大学をはじめとする難関大学に挑戦する受験生を指導している。映画初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、文化面でも幅広く活躍中。
作品紹介
精神科医として多くの悩みに向き合ってきた和田秀樹先生が、困ったときでも心穏やか解決に向かうための「心のコツ」を教えます。
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 「笑い」で緊張をほぐす
- 深呼吸で暗示をかける
- いい記憶を「上書き」する
- 一歩、引いてみる
- たくさんほめて、ほめられる人は 心が折れにくい
- 「セルフ・エフィカシー」を高める
- 遠い先のことより 目先のことを考える
- 「困った!」と頭を抱えたら、 こう考えてみよう