第3回 忘れることが下手な人に

植西 聰『心のそうじ 』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2015.12.25
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◎なりたい自分になるには捨てる勇気を持とう◎

「今の自分を変えたいなら、心の中のマイナスの感情を消し去ることが大事だ」とわかっても、なかなかそれができない人がいます。
 たとえば、自分を傷つけた人のことを何度も思い出しては、「あの人だけは許さない」とか「不幸になればいい」などと怒り続けるような人です。
 また、自分を振った恋人への未練があって、それを手放せば気持ちが軽くなるとわかっているのに、いつまでも「あの人は私の運命の人だった」と思っているような人です。
 実は、捨てられないものが多い人は、心の中に、「変わりたくない」という願望が隠れているケースが多いのです。
 人は幸せになりたいと願う生き物です。それなのに、「変わりたくない」というのは、どういう意味なのでしょうか?
「変わりたくない」というのも、人間の本能の一つだからです。
 何かにチャレンジしようとした時、「不幸になるかもしれない。今も幸せではないけど、もっと不幸になるのはイヤだ」と思ってしまうのが人間なのです。
「新しいことをしてうまくいくとは限らない。失敗して傷つくより、今のほうがましだ」と臆病になってしまうのです。
 しかし、幸せに生きたいなら、今までの自分から変わることが大切です。
 心にプラスの感情を吹き込んで、マイナスの感情を消すことが不可欠です。
 心にプラスの感情を増やすには、「私は変われる」「私は幸せになれる存在だ」とつぶやくのが効果的です。
 過去がどんなにつらくても、今の自分に自信がなくても、なりたい自分に変わることは可能です。
 勇気を出して、「変わる」ことを受け入れましょう。

うえにし あきら
東京都出身。著述家。 学習院大学卒業後、資生堂に勤務。 独立後、人生論の研究に従事。 独自の「成心学」理論を確立し、人々を元気づける著述活動を開始。 1995年、「産業カウンセラー」(労働大臣認定資格)を取得。 主な著書に、『折れない心をつくるたった1つの習慣』(青春出版社)、『平常心のコツ』(自由国民社)、『「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉』(三笠書房)など。

作品紹介

心のそうじ
心配事と不安が消える88の言葉内向型の人が自分らしく生きるための本

人生はシンプルになるほど生きやすい! 人気カウンセラー・植西聰による、心配事や不安が消えて穏やかに生きるためのエッセイ集。
定価:本体1,200円+税/学研プラス

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